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ホーカーハリケーン Mk.Ⅰ
(ペガサスホビーズ 1/48)の製作

by 加藤 寛之 



 接着剤不要のスナップ・キット。ただし、私は組立分解組を楽しむつもりがなかったので、普通のプラモデル同様に接着して作ってある。部品数は僅か27点。誰にでも簡単かつ安全に組立てられる製品ゆえに、主翼後縁は厚く、細く小さな部品などは一切ない。主脚はカバーと一体化、アンテナ柱や尾輪は胴体との一発成形、こんな構成だから可能な部品数なのだが、これらは明確な目的のための個性であって、欠点などではない。そしてこんなに立派に完成する。いかにもハリケーンらしいモッタリとした厚翼、明確なメリハリやゴツさによる模型としての見栄えなどは見事というべきで、オマケにこの大きさにして値段も安め。これは満足できる製品である。 


 さて、製作に入ろう。
 キット自体は中国で打たれてもので、表面には離型剤がたっぷりと付いていた。触ったら指紋が残った。これは離型剤落としの洗剤で洗い落とす。キットの表面の大部分が梨地仕上げなので離型剤が落ちるか心配だったが、とりあえず支障はなかった。
 少ない部品をパチパチと仮組みしてみると、これが実に見事にはまる。はずしても、ピンが折れたりしない。これはお見事! そうはいっても今回は普通に組む。“この材質ではダメかな”っと疑いながらリモネン系の接着剤で着けてみたら、案の定、まったく溶けない材質だった。しかたなく拭き取ったが、接着剤を拭うとは珍しい経験だった。そこで瞬間接着剤に切り替える。これは驚くほどよく効いて、すべてこれで組んだ。成形の材質は柔らかく、多少の段差は軽く削って解消させた。主翼フィレットと主翼付根の接合面のような部分にはややダルい境目ができたのだが、ここは瞬間接着剤を流し込んで充填を兼ねた接着をすればよく、パテを使うほどでなない。組立てそのものは、あっけないほどの短時間で終わった。加工といえば、銃口を開けたくらいだ。  


  塗装はGSIクレオスの水性塗料で、持っているなかの似た色で塗ってしまった。強めのつや消しで塗ると、ペタつきは短時間でなくなる。筋彫りの強調は、ほんの軽く、茶っぽい色の方だけに行った。これは私の好みで、全体に施すと均質な感じになってしまうからである。着陸灯は筋彫りだけなので、描いてそれらしくした。塗装で困ったことは風防で、ワクの筋がタラッと膨らんでおり、どこまで塗るのかはっきりしない。“まあ、イイか…”っと、適当に塗った。
 マーク類は粘着シールと一般的なデカールの2種から選んで貼れる。もちろん、デカールを貼った。基本的なものだけなので、短時間で貼り終えた。デカールは単調な色あいだが、まあ許容範囲。最後にGSIクレオスのトップコートつや消しを吹いて完成とした。
 



<オマケのコラム>
 さて、完成品を眺めて“風防周りの印象が弱いかな”っと思った方もあろうかと思う。その原因は、おそらく風防の幅である。完成品をよく見ると、風防後部の横幅が胴体背部よりも狭いことが分るが、僅かに幅不足なのだ。実機の風防はというと、前部幅よりも後部幅の方が広い。だから風防の幅を、前部の寸法と同寸の後部幅で模型にしてしまうと、胴体背部の方が幅広になってしまうのだ。新版(黒表紙)の『世界の傑作機 ホーカーハリケーン』に、飛行する現存機を前上方向から撮った写真が掲載してあるのだが、これを見ると、後部に向かって幅広になる風防の形がハッキリと分る。ずいぶん前に調べたときは、エアフィックス1/24がそのとおりに風防を作ってあった。さすが英国、さすがの本格キットである。




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Vol25 2011 Janualy.        www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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