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雷電 (タミヤ 1/72)の製作

by 加藤 寛之 



 ご存知、40数年前のキットです。発売当初はポリブロックを使って主脚を可動させましたが、これは再販品なので固定式です。当時の『プラモガイド』によれば、1/50雷電を縮小したようなキットで欠点も受け継いでいる、といった評価ですが、その時代では日模のキットとともに充分によく出来たキットでした。近々、1/32の雷電が新製品で世に出そうなのに刺激され、“今のうちに…”と、ちょっと組んでみました。
 



 基本的にキットをいかして組んでいます。改修点を数か所だけ書いてみましょう。
 コックピットは二本の横棒に人形を乗せるだけの、当時らしい構成です。床がないのでプラバンで塞ぎ、何かの残りパーツの椅子を載せておきました。胴体下面にあるスタンド用の穴も塞ぎます。
 キットのフラップは可動ですが、実機のように後ろにずれて下がる構造ではありません。閉じた状態に接着しても大きな隙間の処理に手間取るので、開いた状態に固定してごまかすことにしました。実機のフラップは翼形断面なので、キットのパーツを左右入れ替えて、本来は下面となる曲面側を上面にもってきて雰囲気をだしました。
 雷電21型の翼機銃は、やや上向きに付いています。キットは銃身を取り付ける穴が翼先端に開いていたのでいったん埋め、フェアリングに合わせて少し上に開口し直しました。太くてゴツい銃身パーツは、先端に穴を開けて使っています。
 カウリングは、肉の厚さが排気管部分と後方から丸見えです。そこで最上部の排気管部分のみ少しだけ肉厚を感じないように削り、後方から見える厚みは黒く塗ることでごまかしました。
 胴体後端の「しっぽ」は長すぎるので、切り詰めました。尾輪も後ろすぎるので少し前に移植しました。垂直安定板の前縁は、真っすぐに削っておきました。
 



塗装は当たり前の塗りわけです。今回はタミヤとGSIクレオスの水性塗料を使って塗っています。換気にあまり気を使わなくて済む水性塗料は、冬の製作には便利な塗料です。デカールはひび割れていて使い物にならず、余り物のデカールを適当に貼って済ませました。

 完成してみると間違いなく雷電。ですが、やはり時代を感じさせます。風防などは、全体の形も枠の雰囲気も、まったく似ていません。それでも当時、模型店でこのキットを見ていた私には、すばらしい製品でした。40数年たっても、その記憶は変わりません。このキットを設計され、型をおこし、キットを成形し、箱詰めし、お店に運んでくれた方々、箱を開けるだけで買わないのに許してくれた模型店のオジサンにあらためて感謝し、結びとしましょう。



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