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Kaman HH-43B Huskie (Testors 1/32)

by Kiyoshi Iwama


学生時代、沖縄に旅行した時でした、那覇空港近辺でこのカマン ハスキーが実際に空を飛んでいるのを目にしたことがあります。独特の交差回転式の並列回転翼がよくぶつからないものだと感心して眺めていました。このハスキー、米海軍がHUK-1の呼称で最初に発注し、続いて海兵隊がHOK-1の呼称で採用しました。その後米空軍も、消火用、及び墜落機のパイロット救難用にH-43A(HOK-1の空軍呼称)として採用し、その初号機が1958年9月19日に初飛行しています。このシリーズのハスキーはレシプロエンジンのR-1340-48をキャビン後部に搭載し、そこからシャフトでロータ回転軸へと動力を伝達していました。キットのHH-43BではエンジンをターボシャフトのライカミングT-53-L-1Aに換装し、キャビンの上に搭載したことにより後部キャビンに大きな輸送スペースができました。こうした輸送能力の向上から、改良型のHH-43Fとともに、HH-43BはMACの救難部に配属され、ヴェトナム戦争でも救難ヘリとして活躍しています。

さてキットの方ですが、ボックス・アートでも分かるように、随分古いキットです。このキットの特徴は、なんと言っても実機同様、交差回転式並列回転翼が見事に回転することです。それに魅せられ、製作することになったのですが、やはり現在の精巧なキットと比較すると、段差や隙間に悩まされ、完成までは苦労の連続でした。それでも、できるだけ素材をそのまま組み立てることを念頭に置き、作業に取りかかりました。





HH-43Bの胴体後部にはハマグリ型に開く扉が付いていますが、キットにも実機同様に開閉できるドアが付いています。このドアには大きな窓があり、そのためキャビン内部のロータ回転用のギアがまる見えです。そこで、内部が見えないようにネットと床構造部材をプラ板で作成し、誤魔化しました。また排気ダクトは肉厚で煙突のようでしたので、必死に内側を削り、それらしく見せるとともに、垂直安定板にプラ棒で作った補強ステーを追加してみました。

そして救難ヘリコプターのためウィンチが付いているのですが、キットにはワイヤーが付いていません。最初は木綿糸ででも作ろうかと考えたのですが、東急ハンズでいろいろ物色していると細めのステンレスワイヤ―が見つかりました。しかしフックはプラスチックですのでワイヤーが弛んでしまいます。そこでワイヤーをセットし、フックを引っ張って形が決まったところで、ワイヤーに瞬着を流し込み固めてしまいました。どうでしょう、ウィンチらしく見えませんか?



クリアパーツは透明度もよく、胴体側面ドアのバブル・ウィンドウもきちんと再現されています。そしてコクピットは、大きなキャノピーと開いたドアからまる見えです。そこでシートにはベルトでアクセントを持たせてました。

さて塗装ですが、ヴェトナム迷彩も選べるようになっていましたが、私はジュラルミンに蛍光オレンジの塗装を選びました。銀はミスターカラーの8番をベースに2色で塗り分けたのですが、あまりよく分からない結果となりました。テイルブームの黄色と黒のベルトはデカールが片側分しかなかったため、塗装で仕上げています。デカールはキットの付属デカールを使用しましたが、非常に質のいいものでした。

いろいろ苦労もありましたが、出来上がってみるとまさにハスキーで、自己満足に浸っています。




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Vol27 2011 March.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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