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零戦21型
(ペガサスホビーズ 1/48)

by 加藤 寛之



<キットの説明>
 部品数約20個のスナップキットです。出来上がってしまえば、どこから見ても零戦です。以前にもこのスナップキットのシリーズからホーカー・ハリケーンを作っているのですが、それがとても気楽だったもので、“もう一つ”となったわけです。零戦を選んだ理由は、そのなかでも特に部品点数が少なかったことに加え、塗装が単純だったこと。今回は13色だけで出来上がりました(もちろん、細部塗装は省略です)。ただいま私、仕事が忙しくて簡単なものしか作る意欲が出ないのです。プラモデルなのです、難しいことを考えるのはヤメなのです。 



<製作記事っぽく>
コックピットから始めました。座席は床板に付いています。このパーツの前方に穴があって、ここに一発抜きの計器板を差込めばコックピットが完成です。胴体側面にもモールドがあるので、なかなか良い感じです。丁寧に塗れば実感充分でしょうが、今回は真っ黒く塗ってオシマイにしました。
増加燃料タンクは一般的な左右合わせです。主翼下面に差し込んでみると、ややお尻を下げぎみです。ここは清流カバーの後部を削って補正しました。
カウリングは一発抜き。ですが全周にしっかり過ぎるモールドが入っており、単調な零戦にアクセントをつけています。排気管が平らだったので、ここは斜め切りしたプラパイプを貼り付けておきました。エンジンも一発抜き。黒く塗ったあとで銀を軽く擦り付けて塗装終了、これをカウリングの後方から差し込むだけです。
胴体は、先に組んだコックピットを挟んで左右パーツを合わせ、風防前の機銃カバーを接着すればオシマイ。機銃カバー部分には隙間が出やすいので、瞬間接着剤を2~3度流し込んで隙間をほぼ埋めておき、パテを軽く摺りこんで均しました。ラダー左側にも部品分割線が生じますが、スナップキットですから苦情にしてはいけません。ここも瞬間接着剤を2~3度流し込んでおくと目立たなくなります。全体を眺めてみると少々後部胴体が角ばって見えますが、まあOKです。アンテナ柱はいったん切り落とし、最後に接着する手順にしました。風防斜め下にある銃のガス抜き穴は、斜めに開口しておきました。
次は主翼です。左右一体の下面パーツに左右の上面パーツを接着すればオシマイです。実機のように主脚までは厚く、そこから薄くなる感じが再現されていてビックリ。エルロンのタブは、後縁がモヤッと膨れているような成形なので、ここは削り落としてプラバンの小片に置き換えました。下面先端に生じるパーツの隙間は、瞬間接着剤を2~3度流し込んでごまかしました。前縁の機銃口は穴が丸く見えるように整形、ついでにピトー管の取り付け穴、脚出し指示棒の穴も開口。ちなみにピトー管や脚出し指示棒は省略されています。伸ばしランナーや真鍮線でそれらしく自作しました。
主脚はタイヤと一体成型です。おかげでガタつきがなく、丈夫です。脚カバーと脚柱の間が離れすぎますが、まあOKです。脚付け根にある小さなカバーが省略されていたので、プラバンを四角く切って取り付けました。タイヤカバーは指示図が前後逆に描かれていました。折れ曲がりが後方になるように取り付けました。
風防パーツは、胴体との間に僅かな隙間が生じたので、水性ボンドを流し込んでごまかしました。水性ボンドが乾いたらそこに機内色を塗り、そのあとで外部色を塗れば、通常の鑑賞には充分です。 



<塗装です>
全体は、なにも考えずに明灰白色を塗りました。動翼の溝や彫り込み部分は、やや暗い灰色を塗っています(メリハリですね)。ただしこの塗装の時代の実機はピカピカに磨きあげたようにきれいなので、全体的には美しくすることが大切です。風防内は暗い灰色が適切でしょうが、コックピット内を塗るついでに真っ黒にしてしまいました。やはり、ちょっと暗すぎ? これは、タイヤにタイヤブラックを塗るのだから、そっちの色の方が良かったかもしれません。プロペラは表が銀、裏が黒、先端に赤の二本線。付け根の銘板塗装は面度なので省略しました。どうせ見えないプロペラ裏面ですが、付け根は銀色です。スピンナーからちょっと外側から直線的な塗りわけで黒塗装になるようです。カウリングは既成のカウリング色を塗ってあります。
 デカールは基本的なものだけです。フラップ部分の赤線やキャップの赤丸などはありません。これらは適当に塗っておきました。感じよく貼れるデカールですが、これも面倒な方は粘着シールを選ぶこともできます。灰色塗装だと目立ちませんが、キット表面が梨地なのでデカールがシルバリングを起こしやすいようです。
 最後にトップコートの半光沢を軽く吹いて完成としました。ただし、実機は先に書いたようにピカピカです。これは模型としての好みの問題でしょう。




<補足です>
 離型剤が強いので、組む前に洗浄することをお薦めします。目の細かなサンドペーパーで表面を撫でておくことも効果的です。ついでに表面の梨地や動翼の強調しすぎたリブ表現も改善できます。接着には瞬間接着剤を多用しましょう。一般的なプラ用接着剤では、なかなかうまく接着できません。


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Vol29 2011Mayl.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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