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隼 キ43-2乙
(大滝製作所 1/48)

by 加藤 寛之



  今回作ったこのキットは生粋な当時物なのだが、入手はつい2か月ほど前のこと。行きつけの「ホビーショップはせがわ」に行ったところ、これが半額コーナーに置いてあった。定価200円なので、100円ということ。実は以前から気になっていたことがあったので、この機会にと購入した。
「気になっていたこと」は何かというと、それは「モデルアート」2006年5月号の隼特集に始まる。
この特集でマイクロエース版のこのキットを作ったのだが、その際に改修をあきらめた部分があった。それは主翼の取付角。このキットは胴体に対して主翼の取付けが前下がりで、それが原因で首を上げているように感じ、長めの脚はいっそう長く見えてしまうのだ。この改修は大工事なうえに、それによって全体のバランスが崩れメチャメチャになる可能性もあった。とはいえ、改修しなかったことは、ずっと気になっていた。それを試みられる機会が100円で訪れたのだ。




主翼を前上がりにするためには、胴体を切断する必要がある。操縦席側面胴体の下部にある真っすぐな筋彫りにカッターを入れ、主翼の後端部分で切り離した。そして先端で1.5mmくらいになるように上部胴体側の切断面を斜めに切り落とし、そこに先ほど切り離した下部を戻してつけた。これで改修はほぼ終了…とはならない。
 
胴体先端が細くなったのだから、当然のことながらカウリング下部と主翼下面先端に大きな段差が発生する。そこで主翼下面パーツの左右脚収納穴ギリギリの胴体側にノコを2筋入れ、その間を下げてカウリング下部に合わせた。下げた部分と脚収納穴付近との段差はパテでつなげた。そうすると、主翼前縁とタイヤ収納部分の雰囲気も実機に似るので万事OK…と、大雑把にいえばこうなるが、それぞれの作業はやはり派手な工事である。



それ以外は、主脚を短くしたこと、脚カバーをプラバンで作り替えたこと、風防を切って開けた状態にしたこと、頭あてを取り除いた感じにしたこと、カウルフラップを改善したこと、プロペラを削って薄くしたこと、機銃のガス排出穴を開けたこと、タイヤに丸いカバーを付けたこと、フラップのカイドレールを改善したこと、主・尾翼の後縁を薄く見えるように削ったこと、エルロンの修正タブを改修したこと、脚出し指示棒を付けたことくらいで、あまり手を加えていない。私の感覚でいえばほぼ素組みなのだが、書き出してみると結構な改修量である。
塗装は超テキトウで、当然ながら架空塗装。「隼」っぽければよいのである。キットのデカールは使えそうになく、「ホビーショップはせがわ」の店主に相談したら余り物デカールを融通してくれた。当時価格の半額といい、デカールの融通といい、本当に感謝である。
そんなこんなで完成した。今回のテーマは主翼の取付角の改修。それを確認できれば、あとはいつものように気軽に作ったのであった。



 自己講評:私としては、主翼取付角の改修がバツグンの効果をあげたと感じている。すごく「隼」っぽくなったと思う。だからといって、“貴方もどうぞ改修を”とは言いにくい。そんなところか。

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Vol 35 2011November.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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