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連載  世界の名作(迷作)キット発掘コーナー (第26回)

エレール社1/72「Bf108タイフン連絡機」

by 鳥巣 Torisu           /    



 

<実機解説>

1934年にヨーロッパで開催される第4回国際飛行競技に参加する為ドイツのバイエルン航空機製造会社(BFW社)で開発された単発スポーツ機である。その機体の設計はウイリーメッサーシュミットが行い主翼形状や胴体形状等に後の名機Me109に通じる個所が多く見受けられるスマートな機体であった。
1934年に4月に初飛行しその年の国際飛行競技界に参加したが競技内容が他の旧式で軽量な機体に有利に設定されていたので良い成績は納められなかったが性能は優秀であったのでドイツ空軍に採用され将校の連絡や輸送任務などに広く使用されWW2のアフリカ戦線ではアフリカ軍団指令の名称ロンメル将軍が使用した機体としてシュトルヒと共に有名である。
また大戦末期には主翼の上に「パンツアーファースト」(歩兵携行対戦車兵器)を搭載し地上攻撃機としての使用を考えられたのはこの機体の持つ基本性能が高かった証しでもある。
さらにWW2後のフランスでは生産設備が残っていたノール社で「パングアン(ペンギン)」の名で生産が続けられ285機が作られ海軍や空軍で連絡機として使用された
性能緒元
乗員:1名
乗客:3名
全長:8.5m
全幅:11・5m
全備重量:1.660kg
エンジン:アルグスAs10C(270hp)
最大速度:300km
航続距離:1000km
実用上昇限度:6・200m



<キット解説>

エレール社の中では古参の部類に入るキットですがメリハリの付いたモールドや少ないパーツ数ながら旨くまとめられたコクピット等
好感の持てるキットです
箱絵

制作

<コクピットから>

コクピットフロアー・座席・計器盤・スティック・の4点構成です。コクピットは主翼下面の中央に取り付けてから組み立てる構成になっていますので変則的ながら先に主翼上下を張り合わせます。
貼り合わせたらコクピットフロアーを中央に載せます。
この時左右にズレ過ぎないように取り付けます。
取り付けが終わったら胴体を組みます




<胴体の組立と主翼の取り付け>

左右の胴体を張り合わせたら主翼を取り付けます。
この時翼の上半角の角度に注意します。左側の角度が気持ち足りなかったので指で押し曲げて調製しました。
水平尾翼も取り付けたら胴体の貼り合わせ部分と翼と胴体結合部分に生じた隙間にポリパテを盛り乾燥させます。
パテが乾燥したら#400・800・1000・1500の番数の紙ヤスリで削り整形します。





<サフ吹きとスジ掘りサフ吹きとスジ掘り>

整形したらクレオス社缶サフ#1200を全体に吹き付けます
吹き付けが乾いたら消えたパネルラインを掘り直します。
今回は全部のパネルを削っていないので所々残ったパネルをガイドにして掘り直しました。胴体のパネルラインが楽に掘ることができました。



<塗装>

機体下面 MrカラーNo118[RLM78ライトブルー]
機体上面 MrカラーNo39「ダークイエロー」
迷彩   MrカラーNo122「RLM82ライトグリーン」
コクピット・脚収納部・脚は
     MrカラーNo60「RLM65グレー」
典型的なドイツ空軍カラーで塗りました(笑)
キャノピーは箱絵を参考に銀色で塗りました良いアクセントになったのではないかと思っています。
プロペラは手短にあったMrカラー309番で塗りました。
機体の基本塗装と迷彩を施したら機体外部をマスキングテープで覆いコクピット内部を塗り最後に計器盤をジャーマングレーで塗りエナメルの銀でドライブラシを施しました。
レットブランで塗った座席とステックを取り付けてコクピットの組立と塗装は終わりです。


<デカール貼りと仕上げ>

デカールはかなりの経年劣化が激しくて今回は国籍マークを使うのは諦めジャンクデカールから使えそうなバルカンクロイツ(Fw190の物)を探し使用しました。ヨーロッパやアメリカの模型メーカーには尾翼に貼るスワチカが入れられていないのでこれも日本メーカーのキットのジャンクデカールから探して貼りました。
デカールの貼り付け作業が終わったら主脚と尾輪水平尾翼の支柱等の細部パーツを取り付けました。
支柱の片方が途中で折れて無くなっていたので1/350の艦船キットから主砲の砲身をそれらしく加工して付けました。
艦船パーツは意外と使えるものです(笑)
半光沢クリアーを全体に吹き付けて完成です
エレール社のキットの中では古参のキットですがプロポーションは良く今でも十分楽しめるキットです
今回エレール社Bf-108のキットを製作する機会を与えて下さった編集部に感謝です

参考資料
フリー百科事典「ウイキペディア」より






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