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「ブリストルF.2B」 (ローデン1/72)

by 作左衛門


 こんにちは、作左衛門でございます。
さて、今回の複葉機のお題はロデン1/72の「ブリストルF.2B」です。
(02ボックスアート)


 実機は、1916年3月フランク・バーンウェル設計で「F2A」として誕生しましたが、50機の生産で「F2B」に切り替えられ10月25日に初飛行を行い、もっとも成功した2人乗りの戦闘・偵察機です。しかし、その機動性、操縦性の良さから現場での人気も高く、大量生産ラインを築きあげましたが、慢性的なエンジン不足に悩まされ続けました。この時期はロールスロイスでは常にあらゆるタイプのエンジンが不足しており「F2B」のファルコンⅢに代わるエンジンはなかなか出現してくれませんでした。タイプ15としてサンビーム・アラブエンジンを使用しましたが、振動が酷く使い物にならず、タイプ16ではイスパノスイーザのエンジンを使用。
しかしこのエンジンはS・E・5・a戦闘機やソッピースの戦闘機などに取られるというていたらく(笑) ニュータイプが配備されても、依然ファルコンを積んだ旧式の活躍が目立ちました。武装はヴィッカーズ固定機銃と偵察席の7.7mmルイス旋廻機銃です。後に偵察席には旋廻機銃が1挺追加されました。各型合わせて休戦までに3101機生産され、戦後も生産は続けられ1932年までに総生産は5500機に達しています。
翼幅11960mm、長さ7870mm、最高速度198㎞/h、重量1747㎏、乗員2名。


 さて、キットです。このクラスとしてはパーツはちょいと多めで、ランナー4枚程。
せっかくエンジンが組めるようになっているので、エンジン剥き出しに挑戦してみました。
もちろんエンジンカバーのパーツがあり、エンジンを省略できるパターンもありますので、自由にチョイスできる魅力的なキットでもあります。
エンジンの組み立ては、多少インストのイラストの理解に時間がかかりますが、おおむね良好でストレスなく組みあがります。
(03エンジンの組み立て) 


 エンジンフレームと機首ラジエターを取り付けて仮組みしても、スムーズにピタッと収まってくれました。
(04エンジン仮組み)


  エンジン塗装は指示通りですが、ハンブロールカラーの指定なのでクレオスに当てはめて塗装します。 
(05エンジン塗装)


 コクピットはキットパーツのみでかなり精密に再現できます。だいたいの指定色で塗装し終了。
(06コクピット組み立て塗装)


 胴体を張り合わせ、後部座席の機銃です。プラパーツが多少変形していたためと、ちょっと太めだったので銃架、銃身等は真鍮線・真鍮パイプで自作しました。
(07機銃)


 機体、主翼と基本の塗装は済ませます。上面ダークグリーン、下面がマットリネン、コクピット上部から機首にかけてライトグレーの3色で終了。各クレオスカラーで調色しました。
(08胴体主翼塗装)


 F2Bの特徴でもある主翼と胴体の構造は、主脚を利用し主翼から胴体が浮き上がった形になっています。ここは、強度も兼ねて太めの真鍮線を使用しました。
(09胴体下翼組み立て)


主脚は瞬着の点着けで仮止めとして、下翼と胴体間の支柱が固定したら 作業の都合上、一旦はずしておきます。
 (10胴体下翼塗装)


 主翼・胴体のウェザリングをある程度済ませて機首エンジン部です。資料とにらめっこをしながらパイピングを施します。プラストライプやロッドに、オーディオコードからほぐした銅線を瞬着で接着。 いくつか作り、それをエンジン壁に接着しました。多少オーバーに見せるためのでっち上げはご了承くださいませ(笑)。
(11機首エンジンコード類) 


塗装して軽くウェザリング。 
(12機首エンジンコード類塗装) 


で、エンジンを組み入れてラジエターを接着 
(13エンジン組み入れ) 


ウェザリングを施します。
ウェザリングは翼、胴体、エンジンとパステルなどの粉系を多用しました。 AFVで用いられる方法も大変参考になり飛行機模型にも大いに活用するべきだと思います。
(14エンジンウェザリング)


ヒートン状のアイボルトの作成です。
先端を曲げた0.2mmの真鍮線をピンバイスの本体に装着し、2つに折った銅線を先端に引っ掛けてクルクルっとピンバイスを回転させると出来上がります。 
(15アイボルト)


次にストラットの塗装。ここは木目塗装です。
主翼の所定の位置に長さをカットしたアイボルトを埋め込み、可能なかぎり下翼には糸(鮎釣り用ハリス)を結びつけます。
 糸は結びつけるだけで固定はしません。下翼から上翼への方向が決まるまでは動いてくれたほうが後の作業が楽になります。
(16ストラット塗装)


ストラットは胴体側から接着しました。
(17ストラット組み込み(1))


上翼を乗せて完全に固定できたら次に外側です。
リギング(糸張り)は多少なりとも忍耐がいる作業かもしれません(笑)
 下翼のアイボルトに結んだ糸は前記のように固定されていない(遊びがある)ので、方向性が決めやすく見た目もスムーズな流れになると思います。
糸を上翼の所定の位置に埋め込んだアイボルトに通して結びます。先に上翼を瞬着で固定してから下翼の糸を固定します。
注意点は左右同時進行で。
(18ストラット組み込み(2))


翼左側、又は右側だけを先にリギングすると、左右の翼上下のアキが対象ではなくなる可能性があります。実際に失敗したことがあります(笑) 
(19リギング)


あとは主脚を取り付けて飛行機は完成です。
 ちょっとウェザリングが激しかったんじゃないかと反省しとりますです(笑)
(20完成(1))




小さなヴィネット風にするので、まずはフィギアから。
プライザーから4体をチョイスしてパイロットは簡単な改造をしました。 
23フィギア(1))


ハンブロール、タミヤのエナメルで塗装。 
(24フィギア(2))


フォトフレームにタイルの目地材を流し込み塗装して地面を表現しました。
飛行機とフィギアをレイアウトし、瞬着で固定して完成です。
 時間はかなりかかりましたが、完成した雄姿(?)を眺めながらのワインの味は最高でした(笑)
(25ヴィネット)



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