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  アブロ・カナダ CF-105 アロー
(ホビークラフト 1/72)

by 加藤 寛之



  飛行機マニアが開発中止を口惜しんだ白鳥、アメリカのXB-70バリキリー、イギリスのTSR-Ⅱ、そしてカナダにはアローがあった。初飛行は1958年3月。
 アローは高空をマッハ2以上で飛行する全天候迎撃機だが、お決まりの価格上昇とソ連の有人爆撃機不要論による迎撃対象の喪失、そして何かの政治的配慮があったのかもしれないが、開発は中止された。完成機はすべて廃棄されて1機も残されていないようだ。



今回のキットは、ホビークラフトの1/72。カナダのメーカーが売っているカナダ機なのだが、この時代の同社製品はいずれも「とりあえず、こんなカッコウです」程度の出来で、どれだけスケールモデルであるかは疑問がある。このキットもその水準だ。私が籍を置いている模型サークルSLBの来年のテーマの一つが「白」らしいので、買い置きを開封して組んでみた。とりあえず資料を集めてみる。
特別な資料本などは購入していないので、古い雑誌を引っ張り出す。
『航空情報』(1957年12月号、酣燈社)・『航空写真集』(1958年第6集、航空写真社)・『世界の航空 1959』(朝日新聞社)、この3冊だけでOKとする。資料を見るほど実機との違いが見えてくるし、どれもモノクロ印刷なので、無塗装銀なのか反射で黒く見えるのか、黒っぽいけれども黒なのか青なのか赤なのか判断できない。それに加えて時期によっても違いがあるみたいだ。そこでいつものように、あまり深く考えないことにする。アローに詳しい日本人はめったにいないはずだから(私が知らないことの拡大解釈)、結果として白くて三角形でカナダならば良いのである。



 胴体は上下分割、これに機首と尾部が付く。四角い箱型の胴体には、胴枠パーツが何枚も入る。ただしガタガタなので寸法の補正はできず、これで上下が合うわけではない。側面を順々に指で押さえて合わせながら、瞬間接着剤で組む。尾部パーツはパーツの段差が大きいけれども、どうせ実機と形が違っているので削って合わせればよい。 主翼はひどい断面形だ。でも、そんなことは気にせずにくっ付ければ良い。垂直尾翼も似たようなものだが、これもくっつけば良い。あっちもこっちも、全部こんなだ。文句を言っても仕方がない。折ってしまった機首先端のピトー管を真ちゅうで作り替えたくらいで、そのうちに無事に形になった。



 塗装は、全体がグランプリホワイト。純な白でないので安っぽくならないから、私は好んで使っている。細部塗装はまったくわからないので、適当に塗った。デカールはモヤッとした印刷で、サイズも大きめ。主なものだけ貼る。
 
最後に脚をつけた。主車輪はタンデム配置なので、このキットの精度でちゃんとタイヤが地上につくはずがない。前の主車輪は所定位置に固定し、後ろ側は軸を切り落として現実に合わせて接着した。強度的には難ありだが、まあ大丈夫だろう。これで完成。洗練のちょっと足りない感じがステキだ。なかなかイイぞ。細部は分からないものの、全体の印象はこんな形だったのでアロー。



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Vol 44 2012 August.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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