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宇宙戦艦ヤマト
(バンダイ メカ・コレクション№1)

by 加藤 寛之



  先日、塗料が足りないことが分かり、近所にある「道楽ぼーず」という模型店へ行った。ここのご主人は古い友人なのだが、鉄道模型中心のお店なのでいつも塗料くらいしか買わない。ところがつり銭不足が懸念される事態となり低価格品を物色、そして買ってきたプラがこれ。入荷したての新しい箱で200円。発売当時は100円だったと思うが、いまどき200円は安い。 聞くと、中学生あたりが買って行くという。 バンダイはこのキットに限らず、減価償却が済んだ売れ筋の古いキットをあまり値上げしない。次世代を育てているのである。次世代ではない私も買って帰り、開封。ランナーに「1979」の刻印があるから、本放送時のキットではない。そうだろう、本放送時はとにかく子供に人気がなかった記憶がある(大人になりかけだった私は毎週見たが)。



  さあ、作ってみよう。船体が左右分割なので、合わせめを均して接着。硬化してから甲板パーツを乗せてみる。船体がやや狭いようで、僅かだが甲板が横に出てしまう。そこで船体内側の2か所にランナーで突っ張りを入れて甲板を接着。これで船体がふっくらした宇宙戦艦ヤマトらしくなる。甲板は前方が浮きやすいようで、ここは抑えつけて固める。 アンテナパーツや後端の操舵翼は小スケール(約1/2000)ゆえに厚みがありすぎるが、これは抜き勾配を落としただけでOKとする。そうしないと強度不足の完成品になってしまう。ある程度まで組み付けて、塗装する。そのあたりにあった灰色と赤で塗る。灰色をペタッと塗っただけではメリハリがないので、薄めた黒で窓や影部分を塗り、角や突出部分には明るい灰色をスッと塗っておく。



 後端の波動エンジン噴出口は、青と金を薄めて上塗りし、溝には薄めた黒を入れておいた。噴出口の内部は赤を下塗りして金を塗り重ね、稼動している色とした。ついでに波動砲も同様にし、「もうすぐ発射」色とした。飛行機と違って脚がないので、当然、スタンドで飛行姿勢となる。 翼が展開状態でセットされているので、これは大気圏内ということ。それならば、ということで主砲・副砲を左に向け、船体は少し右へ傾けてセット。発進直後に遊星爆弾を砲撃した直後のイメージとした。実際の映像とはちょっと違うが、こっちの方がカッコいい。



驚いたのは、対空パルスレーザー砲やフェザー光線砲を付けたとき。このパーツが簡単に良く合うのだ。その場所にパチャっと付く。当然といえば当然なのだが、これは1979製で、ものすごい数量を打った金型なのだ。 そう言えば、金型の痛みもほとんど見当たらない。バンダイ凄い!金型設計も管理も、すばらしい!それが200円なんだから信じられない。



 突然買ってきて急に組み始め、色塗りまで入れて数時間で出来上がったのだが、その間は頭の中はヤマトの映像が入り乱れ、“宇宙♪~戦艦~♪”とか口ずさみ続けていた。こういう簡単なプラモは実に楽しい。 完成してこそのプラモデルである。精密さとは無関係な、おもちゃで良いのである。そして、そんな商品を低価格で製造し続けている会社があることを感謝したい。




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Vol 48 2012 December.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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