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グラマン F4F-4 ワイルドキャット
(アカデミー 1/72)

by 加藤 寛之



先日、ワールドホビーショップはせがわで、このキットを買ってきた。標準価格400円は安い。このワイルドキャットは以前にも作ったことがあって、太りすぎているし難点が多いことも知っているのだけれども、この値段だから出来の良し悪しはあまり関係ない。



まず主翼から組み始める。下面側の前縁が変な形に尖っているし、フラップがある付近の上面はダルい曲面になっており、ヒコーキの翼断面形にはほど遠い。前縁下面は軽く削って丸め、上面のダルい曲面も目立たない程度に削っておく。翼端の平面形は塗装図をみて改修し、大きすぎる翼端灯は削り落として小さく作り直す。これで主翼は“まあOKかな・・・”程度になる。
胴体がやたらと太い印象になる原因は、実機では丸い胴体から三角に持ち上がったような形である風防前方胴体までをドロ~ンと丸くしたからだろうか。もちろん、ここは手をつけない。
エンジンもプロペラも、主脚も、タイヤにも実感はないけれども、キットのまま使う。風防は底辺が前端から後端までず~っと曲線という実機とかけ離れたものなのだが、塗装でごまかせばそれほど気にならない。垂直尾翼だけは丸すぎる側面形を削って修正したが、これだけでだいぶ上等な印象になる。
胴体に主翼を挿してみると、上反角がまったく足りない。そこで翼付け根の下面側にプラバンを挟み、上反角をつける。プラバンを挟んだ跡はそこそこの整形でOKとする。上から眺めて下面まで見える人類はほとんどいないので、それで構わない。翼下の燃料タンクもザツな造形なのだが、先端をちょっと丸めた程度でオシマイとする。



指定塗装は上面がダークガルグレイ・側面と下面が白というお洒落なもの1種。だが箱絵は、マーク類はそれと同一ながら上側面ニュートラルグレイ・下面ライトグレイという塗装。箱の側面には胴体に大きな黄色フチの国籍マークをいれた全く別の完成品も載っているが、これのデカールはない(以前は入っていた気がする)。そういうユルい製品なのだが、400円なのだから仕方がない。今回は上側面ニュートラルグレイ・下面ライトグレイの箱絵塗装とした。
今回は水性塗料を使う。臭いがほとんどなく窓を開けなくて塗れるので、寒いこの時期には実にありがたい塗料なのだ。完成すればやや厚塗り感はあるもののラッカー系と大差ないから、春まではこれで塗ろうと思う。
水性塗料は、皮膜がやや弱いこと、完全に乾くには結構長く時間がかかること、ある程度部屋を暖かくすることを意識すれば、特に塗るにあたって難しいことはない。今回、上側面のニュートラルグレイは、先に明るめの灰色を塗り、その後に暗めに調整した灰色を薄く重ねることで、色に味わいを加えた。凹線にはところどころ暗い灰色を入れ、逆に垂直尾翼の前縁や小さな凸部、カウルフラップの後縁などには明るい灰色をちょっと塗って、メリハリもつけてみた。凹線の「ところどころ」に暗い灰色を入れる理由は単調さを防ぐためで、ジグソーパズルの立体模型ようにしないための工夫。



デカールはやや硬かった。水性塗料はデカール軟化剤に弱く、使いすぎたり強力なものを使ったりすると色が溶け出すことがあるので、無理せずに貼っておく。水性塗料はつや消しで塗ると指触乾燥までの時間が大幅に短くなるが、それは完全乾燥ではないために何度も同じところを持っているとそこが光ったり、指の跡が曇ったりしてしまう。このツヤの差をごまかすために、最後に缶スプレーの「トップコート半光沢」を噴きつけて仕上げている。。 数か月ぶりの水性塗料だが、まあまあの出来になった。完成した姿は小太りで、スギちゃんみたいなワイルドキャットになった




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