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連載  世界の名作(迷作)キット発掘コーナー (第38回)

F-105B「サンダーチーフ」 (ハセガワ1/72) 

by 鳥巣 Torisu           /    


 

<実機解説>

F-105シリーズ初の量産型であるB型は1958年5月にアメリカ空軍に引き渡された後生産機は次々に戦術航空団(TAC)の4つの飛行隊に配備された。当時の最先端技術を用いた画期的な機体だったが高度な爆撃システムの実用運用に時間が掛かりその生産機数は71機と少なく改良型のD型へと生産は移行した。D型の配備が進むと多くは予備役やANG(州空軍)へ送られ第二の人生を送る事になったその後システムトラブルが解消されANGのパイロット達には安定のある機体と好評であったことは皮肉である。
またTACの任務を離れた一部の機体は使用していたF-100Cの老朽化に悩んでいたサンダーバーズが目を付け9機を導入しアクバット飛行用の改造を施して1963年のデモシーズンに投入した。しかしF-105Bでのシーズン開始後6回目の演技中に一機がショー飛行中に空中分解で墜落してサンダーバーズでF-105Bの使用は終わった。
諸元
全長:63.1フィート
全高:19.7フィート
全幅:34.9フィート
基本重量:25,855ℓb
エンジン:P&W J75-P-19
推力:6,810kg(A/B11,350kg)
最大速度:M2,03




<キット解説>

<キット解説>ハセガワが1960年代に他のセンチュリーシリーズをリリースした時期に発売された「F-105Dサンダーチーフ」のキットにその後サンダーバーズ用に新規に作り起こされたと思われるノーズが短くて小さいB型用の胴体を流用して2002年に発売された古参のキットです。
パーツは左右胴体と主翼パーツそしてランナーの枠2つに収められておりビキナーでも作れる部品数の少ないキットです。
全面凸モールド表現一体成型のキャノピーが同封されています。
デカール

箱絵


胴体と主翼部品



 

製作

<コクピットから>

メインパネルと座席にパイロットが一体成型された物(恐)の2点で構成されています。メインパネルにデカールを貼りパイロットと座席の塗り分けを行いコクピット内部をエアークラフトグレーで塗りコクピットの製作は終了です。

<胴体と翼の組み立て>

胴体に錘となるM6サイズのナットを機首部に固定し胴体の左右を接着します。輪ゴムを胴体に巻いて固定している間に主翼の上下を貼り合わせます。エアーインテークの淵の形が少々ギザギザしていたのでデザインナイフで削り滑らかな形状に直しました。
インテーク内側の修正が終わったら胴体に取り付けます。ここには接着剤を多めに塗ってしっかりと固定します。

<パテ盛りと整形>

胴体貼り合わせ部分と主翼のエアーインテークの外側に隙間と段ずれが生じたのでタミヤのラッカーパテを盛り付けて乾燥後に紙ヤスリ#400・800・1000と削りこみ最後に1500で削り上げてクレオスの缶サフ#1200を吹き付けて整形は終了です。
整形時に消えたパネルラインP-カッターとトライツールのテンプレートを用いて彫り直しました。凸モールドと凹モールドが混在するチグハグな作例となりましたが全面を凹モールドに彫り直す気力が無かったので行いませんでした。


<塗装>

今回は全面ナチュラルシルバーの塗装を選びましたので発色を考慮してクレオスNo92セミグロスブラックを全体に吹き付けました。下地のブラックが乾いたら銀のベース色としてクレオスNo8「銀」を吹き付けました。更にその上にメタリックカラーのNo411「クラシックシルバー」を吹き付けテカリのあるシルバー表現を施しました。一色だと単調になるのでフラップ等の動翼にはイブシ銀のNo8「銀」を塗りパネルの一部にはガイアーノーツの「スターブライトジュラルミン」を塗ってメリハリを施しました。
機首部から背部まで続くオリーブドライブのラインを塗り分けレドームの黒を塗り最後に脚収納庫を「機体内部色」に塗って塗装は終わりです。
最後につやを出すためにクレオスの缶入りスプレーの「スーパークリアー」を吹き付けました。



<デカールと細部パーツの取り付け>

マーキングは全面ナチュラルシルバー塗装のニュージャージ州空軍108th TFW141stTFSのマーキングを選びました。
インストに従って台紙を切りデカールを貼っていけば問題なくデカール貼り作業が進みます。
「NO STIP」のデカールが小さいので貼るときに紛失しないように注意してください。作例では無くしてしまい所どころ無い箇所があります。
デカール貼りを終えて一晩置いてデカールを定着したらエアーブラシ用にジャブジャブに希釈したクリアー塗料を吹き付けてデカールを保護しました。




主脚と全脚そして脚カバーの順に残りのパーツを取り付けます。F-105は主脚が前方へ投げ出している向きが正しい向きです。実機資料をお持ちの方は一度確認してから取り付けて下さい。
脚を付けたら脚カバーと各パイロンを取り付けます。
今回はパイロンだけを取り付け外部搭載品は付けませんでした。
最後に塗装済みのキャノピーとエンジンノズルを取り付けて完成です。
今回も72では唯一のF―105B型「ハセガワ1/72F-105B」を製作する機会を与えて下さった編集部に感謝です。





<参考資料>

キットのインスト
文林堂 世界の傑作機 
(旧)No33 「F-105サンダーチーフ」
(新)No144「リパブリックF-105サンダーチーフ」
を参照



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