前述のプラモガイド1972年度版22Pに 青島の烈風の批評がありますが、スケールモデルとしての評価は非常に厳しいものがありました。
1970年代当時の時代背景が 初期の楽しさを追うプラモ作りから一変して 正確さと精密さを重視するスケールモデル追及に変貌していたこともその理由でしょう。
当時のプラモデルガイドは、学生になったプラモかぶれの私にはバイブルであり、評価記事を見ながら、おおがかりな修正を伴う製作にチャレンジしたものです。今考えれば 「若気のいたり」と いうだけではあります。
以下に1972年プラモガイドの「評価と作り方の注意」を引用転載します。
『キットはアオシマから1/72が出ているだけ。戦歴がないので、メーカーもPRのポイントに乏しくて作りにくいのだろうが、同じカテゴリーに入る連山や震電がかなり入念に作られているのだから、もう少しまともなのをモノにしてくれるところが出てきて欲しい気がする。
アオシマ製はスケールの方はキチンと出ているが、エンジン上部のキャブレターや下部のオイルクーラーの開口部がない。また単排気管の描写も甘く、プロペラもスピナキャップも快速戦闘機のイメージとは まるでウラハラである。遠くから見た感じは烈風そのものであるが、細部の表現は極めてラフである。
考えようによっては、スケールがチャンと出ているから手を加えれば加えただけの効果がある。 |
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[作り方の注意]
脚の引き込みと 主翼翼端の折りたたみが可動になっているが、どれも無視して固定してしまう。
主翼は上下貼り合わす前に、翼端の折りたたみ部を接着し、十分乾燥したところで、大げさなリベットや筋彫りの突起などを水ペーパーで削り落とし、各翼の後縁を薄く直線的に仕上げる、主翼翼端の折りたたみのヒンジの部分に出来るすき間は、パテで埋め平滑に修正する。
スジ彫りはエルロン、フラップ、ラダー、エレベーター程度にして、あまり細かい筋彫りは省略すること。スケールが1/72であることと、塗装がダークグリーンであるため、この方がスッキリする。
エンジンのフロントグリルは図を参考にして、可能な限りリアルに工作する。
A7M3にするなら13㎜機銃の穴(キットは左翼に穴がない)から20㎜砲の銃口を出し、さらに外側約4㎜の位置にも20㎜砲の銃口をつけて、合計6門になるようにする。
またA7M3-Jへの改造は、主翼はそのままにして胴体を前に約9.3㎜強、後へ3.3㎜強延長し、主翼の下を3.2㎜ふくらませて整形し、水平尾翼の取り付け位置を尾端から5.5㎜前進させる。さらに細かいことをいうなら、水平尾翼を0.8㎜ほど上にあげてやらなければならない。』
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