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フロッグ グラフィティ

by webmodelers編集部

 フロッグは世界最古のプラモデルメーカーとして名高く、残念ながら1976年に倒産した今は無きイギリスのプラモデルメーカーです。1/72のイギリス航空機を中心に100機程度製品化していたようです。皆様ご存じのようにその金型は 倒産後、東欧、ソ連などに流れていました。また ドイツレベルでも何食わぬ顔をして箱を新しくして販売していることもあり、新製品かと勇み立って 箱を開けてみると フロッグの旧金型品だったということがよくありました。

フロッグという会社については 
http://www.arttdc.com/plamo/Froglist2.htm というサイトに 詳しく記載されていまして、そのまま引用させていただきます。

 『世界で一番最初にプラモデルをつくったメーカーとして知られているフロッグですがその歴史は1932年にまでさかのぼります。当然そのころはフライング・モデルのメーカー(Flies Right Off the Groundの頭文字FROGをとった)でしたが戦前にすでにディスプレーを目的とした樹脂製のミニチュア飛行機を発売し戦争が終るとペンギン(飛べない鳥)というブランドで大規模にプラモデルを生産したのがこの会社です。このペンギンはバトルオブブリテン当時にイギリスの子供たちにドルニエ爆撃機やメッサーシュミット戦闘機のプラモを提供していたというのですからプラモデルの歴史もバカにできません。のちに元のフロッグというブランド名に落ち着き1976年に倒産するまでファンに長く親しまれました。スケールは伝統的な1/72のみでしたが70年代に長谷川と提携した際イギリス国内で長谷川の1/32シリーズを販売しています。倒産後フロッグの金型の大部分は当時のソ連に買われ、ノボをはじめ他の東ヨーロッパ諸国で50以上にのぼるブランド名で生産されました。その際ソ連はドイツ機を嫌い買わなかったためフロッグ製ドイツ機の金型はレベルに買われ西側にとどまったいきさつがあります。ソ連崩壊後もフロッグの金型を使った生産は世界各地で続けられ、現在有名メーカーのキットのなかにも見つけることができます。またフロッグキットは1964~1966年の間、エアラインズという対米輸出ブランド名でイギリスより箱詰め輸出されました。』
ちなみに このサイトには フロッグキットのリストなども あらかた掲載されています。


 さて個人的なフロッグの思い出をたどりますと フロッグのキットに最初に触れたのは 70年ごろ ハセガワと提携して日本で発売された時でした。
当時購入したのはP38Jライトニング、Me410、ライサンダー、スピットファイアMK14+V1、ワイバーンと記憶しています。
この他にバラクーダ、スピリットオブセントルイス、ビミー 、モスキ-トIV、フォッカー、サザンクロス、ガネットは 欲しかったのですが、最初に組み立てたP38Jの余りの出来に恐れをなし、結局 購入には至りませんでした。

 下は1970年代当時のハセガワ ライサンダーの組み立て説明書で、フロッグ提携のキットがリスト中にある。
P38 ,ガネット、Me410,P61 ブラックウイドー、サザンクロス、ビッカースビミイ、
ウエストランドワレス、ブラックバーンシャークの名前が見える。
後に Ju87,Ju88などもフロッグ提携で発売されている。



  完成までこぎつけたのは P38 と ライサンダーのみで、後は 少し手をつけたものの 結局  デビスモンサン行きとなってしまいました。
 P38は すごかった。エルロン、フラップなど動翼の筋彫りが 凸彫りという壮絶なもので、ソリッドモデルよろしく彫刻刀で彫ったという鮮明な記憶が残っています。
 ライサンダーは それよりも少しましで、中東機塗装の銀色の塗装で仕上げましたが、透明キャノピー部があまりにラフで、すぐ壊れて 修理しないまま ウン十年が過ぎましたが、今回の特集を機に レストアしました。
 ガネットは NOVOの時代にNOVOも潰れるのではないかと強迫観念にかられて購入しましたが、さらし首状態のパイロットで、そのまま 押入れにしまってしまいました。
最近のwebmodelersVol24 2010年12月号で 怪傑店長さんがガネットを空撮フェアリー ガネット (ドイツレベル 1/72)で寄稿されていまして、これを完成するのは すごいと 改めて感心しました。 

NOVO版 (旧フロッグ ソードフィッシュ)



  フロッグの印象としては スタイル、ディテールともラフな部分はあるものの イギリス機では唯一ものの貴重な機体があり、イギリス機ファンには はずせないメーカーということになりましょうか。
製作の注意点としては 
(1)どのキットも各部品や主翼後縁は薄くシャープに加工する必要がある、
(2)合いが悪いので、すり合わせヤスリかパテが必須。
(3)スタイルは大体出ているものと思って、写真を見ながら、翼外形を削る必要があるものが多い。プラが柔らかいので、後加工は楽。
(4)脚部品や翼部品の取り付けがラフで壊れやすい。また、いもづけ接着部も多い。
完成に持ち込むには 忍耐と体力だけではだめで、シンチュウ線、瞬間接着剤とエポキシパテがあればかなり楽。それでも 完成の喜びはひとしおと言われている。

組み立てには少し苦労しますが、フロッグは機種選定がマニアックで、プラモデルを組み立てる過程の工作の醍醐味を味わうことができます。


webmodelersに過去に登場したフロッグのキットの記事をリストアップしてみました。
 AFV,CAR、艦船 製作記事 題名 内容 掲載号
1 マイルズ マジスター (旧フロッグ 1/72) Vol49 2013年1月号
2 Ta152 H (レベル(フロッグ) 1/72) Vol39 2012年 3月号
3 フェアリー ガネット (ドイツレベル 1/72) Vol24 2010年12月号
4 連載 世界の名作発掘(第27回)
イースタンエキスプレス(フロッグ)1/72「E・EキャンベラB(I)Mk.8」
Vol37 2012年 1月号
5
空撮 ヴァルティ・ヴェンジャンス Mk..Ⅱ (イースタン・エクスプレス 1/72) Vol30 2011年6月号
6 連載 世界の名作発掘(第21回) イースタンモデル1/72「ミラージュⅢ」 Vol28 2011年4月号
7 世界の名作(迷作)キット発掘コーナー(第2回)
 シービクセン 1/72 フロッグ
Vol.6.2009年7月号


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Vol52 2013 April    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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