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ライサンダー (フロッグ ハセガワ 1/72)

by 田口 博通 Hiromichi Taguchi       



 その昔、ハセガワとフロッグが提携していた時代に作った ウエストランド ライサンダーが 壊れたままになっていたので、今回のフロッグ特集に合わせ、塗装も含め レストアしてみた。 実はキットの説明書にあった夜間型のスパイ輸送任務の機体(右下 説明書塗装図)が 購入してから ウン十年間 ずっと気になっていたので、今回は 思い切って その下面 マットナイトの機体としてみた。何か 胸のつかえがとれた感じ。皆さんもそんなことってありませんか?

当初は 別売りデカールを使って エジプト空軍の銀塗装としていたので、一度 バラバラにして 塗装を落として、筋彫りをほどこし、翼後縁を薄く削り直し、コクピットも塗り直した。
 実は何が大変だったかというと、壊れてバラバラ状態だったので、あちこちに部品が散らばっており、探し出すのが大変だったのです。探し回ったあげく、意外な場所からプロペラがみつかったり、マッチボックスのライサンダーの箱から主脚の片方が見つかったりした。カウリングは見つかったが、結局 排気管は最後まで見つからずで、2㎜径プラ棒から自作となった。



プラ棒から自作した排気管
下はハセガワ フロッグ提携当時の 説明書とデカールである。
私は 説明書と箱絵は捨てないで資料として透明ファイルに残してある。箱絵は嵩張るので 最近は デジカメで撮影してデータとして残すことが多くなった。画家が描いた箱絵は心がときめく。一つの芸術作品と感じることもある。
デカールは ナカバヤシフエルアルバムにファイルしているが、湿気をシャットアウトできるので これはお勧め。
後で、それらを見返すのも、製作当時のさまざまなことを思い出して 楽しい。
 




塗装はMrカラーを用い 筆塗で、
下面 黒つやけし、
上面の ダークグリーン、ダークグレーは特色セットを利用した。

ライサンダーは主翼つけねをキャノピーで支えるようになっており、不安定で壊れやすかった前回の反省をもとに、再組立てに際しては 主翼支柱には0.5mmシンチュウ線を接合部に使い、補強した。
水平尾翼、燃料増加タンクもシンチュウ線で取り付けた。




 プロペラスピナーは黒ではないかと思ったが、キットの説明書では 黄色と指定しているので、あえて黄色にしてみた。
カウリングの先端は 排気集合管で 焼け鉄色に銅色をドライブラシして表現してみた。

主脚スパッツの上部に7.7㎜機銃口が開いていないので、ドリルで開ける。
スパッツの前照灯は透明部品を追加するのがいいのだろうが、大変なので、アルミテープをポンチで丸く抜いて貼ってみた。
問題のデカールは 30年以上経っているので、バラバラになる可能性があり、マイクロフィルムを塗って補強。困ったことに 糊が劣化していて ぬるま湯につけても 台紙から離れない。それで 熱湯につけると、やっと離れた。 台紙から離れさえすれば 現在では 糊の替りに Mr マークセッターなるものがあるので 気楽である。
デカールを貼り、落ちついた頃に、艶消しクリアを全面に吹いて、艶を統一化する。

紛失した排気管は プラ棒で作り直し、すり合わせをして最後に接着した。



 最後にアンテナ線を張って 完成。
フロッグのキャノピーは透明度も悪く、枠も太いので エンビで絞りなおせばいいのだろうが、そうすると 完成がまた遠のくので、あっさりとあきらめた。
壊れたままで、見るたびに いつか修理してやろうと思っていたライサンダーが よみがえった。
レストアに費やした日数は約1週間だった。
 胸につかえていたものが それで解消するのであれば、その1週間は 有意義だったのではないかと思う。







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