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グロスターミーティア F.Mk.Ⅳ
(ハセガワ・フロッグ 1/72)

by 加藤 寛之


 エアフィックスのバンパイアを組んだ勢いで、もう1機、英国のジェット機を作ってみた。ハセガワ・フロッグのミーティアである。このキットは新発売時に1度作ったので、これが2回めとなる。『航空ファン』1970年9月号に新発売の広告が載っているので、つまり40数年ぶりの製作となる。そのときはエンジンナセルの給排気口を丸く組めず、主翼はだるい曲線で包んだようなメリハリのない外形には手をつけられず、そこに銀色の筆塗りにムラを生じて、なんともイヤな感じの完成品になってしまった苦い記憶がある。 「今ならばマトモに組めるかもしれない」との思いは、ぼんやりと育っていた。それが偶然にも1年くらい前に近所のリサイクルショップでキットを見つけ、500円で手に入れた。古物商は箱が汚れた昔のプラモデルとしての値段で販売したのだろうが、私には神様からの賜り物だった。



まず主翼から組む。エンジンナセルの給排気口部分でズレがないように、しっかりと接着する。要所には内部にプラバンを貼って台座とし、しっかり接着する。作業はここからである。エルロンは上面側に付いているのだが、ヒケはあるし後縁も充分に厚い。ここはガリガリと削って薄くする。内翼後縁もガリガリと削って整形する。平面形をみると、真っ直ぐであるべき前縁が曲がっている。これまたガリガリと削る。翼端も、後縁までモッタリな感じを減らすようにガリガリと削る。これで主翼のだるい曲線がだいぶ改善する。
胴体には前端内部に鉛を入れて錘とした。簡素なコックピットで計器盤さえもないから、錘を入れるのには便利だ。床板さえ胴体接着時に入れておけば座席は上から入れられるので、胴体左右を速やかに接着する。合いは良く、合わせ目を軽く削るくらいで済む。接着後に垂直尾翼の前・後縁を薄く見えるようにガリガリと削って整える。機首の銃口は、ちょこっと穴を開けておく。
主翼と胴体の接合は、かなりダメ。上面側をなんとかして、下面側は見苦しくない程度に穴埋めをする。水平尾翼は表面を削ってヘロヘロ感をなくし、後縁を薄くする程度で良しとする。
この程度で大体の形ができあがる。昔のキットはパーツが少ないから好きだ。



主脚はモヤッとした造形だが、机上に置くとまったく見えないので全然気にならない。前脚は「まあイイや」と思うことにして及第点。風防はわずかな削りあわせでOK水準なのだが、ボーっとした窓枠が膨れているので胴体と隙間があるように見えてしまうのが惜しい(さらに後述のように塗装でも難ありだった)。 脚カバーは、なんとも厚い。内側のフチだけを斜めに切り落として、薄く見えるようにする。前脚の左右につくカバーはプラバンで作り直した。




塗装は全面銀色にした。銀に白とツヤケシ剤を混ぜて塗る。結果はつまらない銀色になるのだが、メリハリがない銀色塗装の実感はある。エッジには混色していない銀を軽く塗り、シャープな感じにしておく。風防の塗装には困った。ワクのモールドが太くてダルいためか、ワクの周囲がスッキリしない。仕方がないので、感じの良くない部分に黒でフチどりをした。室内が黒いので塗ったことに気付きにくく、枠はキレがよく見える。ゴマカシ塗装、成功。 デカールは、キットのデカールを使った。もろくはなっていたが使えた。デカールの色は白がやや黄ばんでいたが、これは製造から40数年を経た証拠であるから問題ない。近年のキットとは違い、細かな注意書きなどは用意されていないのが手軽で便利。これなら短時間で貼り終わる。一方、0~9の数字がオマケで付いている。友だちと同じ機体の完成品にしないためのサービスであろう。当時は皆がどんどんキットを組んでいたから、良い工夫である。そんなこんなで、無事に完成した。



ハセガワ・フロッグのミーティアは、お宝といえばお宝のキットである。でも、作った方が良いと思う。プラモデルとして世に出たのだから、組んであげて、そのうちに壊れて捨てられた方がキットとしては幸せだと思う。いつまでも未完成品では可哀想ですよ。



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