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誌上個展

アグスタ AB 204B 救難ヘリ (イタレリ 1/72)

by 田口博通 Hiromichi Taguchi



 NATOの中核、イタリア空軍のアグスタベル AB204Bがイタレリから発売されています。このイタレリキットには イタリア空軍の他、オーストリア空軍、オランダ王立空軍の西ヨーロッパ3か国のデカールが付属しています。  その中で 一番 派手なイタリア救難機塗装にしてみました。
箱絵に魅せられて!というのが正しいでしょう。 胴体下面の救難イエローをまとい天使のように空から舞い降りる魅力的な絵でした。




このイタレリのキットは タミヤイタレリ版で発売されていたベルHU-1Bをベースに救難ホイストを付属させたものとみられ、コクピット内部、貨物室内部とも最小限の部品でよく再現されています。 また、ハセガワ製HU-1Dでは不満だった正面の顔つきが、一枚ものの全面フロントガラスにより大幅に改善されています。



ここで NATOについて簡単解説
 NATO北大西洋条約機構(きたたいせいようじょうやくきこう)は、北大西洋条約に基づき、アメリカ合衆国を中心とした北アメリカ(=アメリカ合衆国とカナダ)およびヨーロッパ諸国によって結成された軍事同盟です。 仮想敵国は冷戦時代を反映し 当時の共産圏でソビエト連邦と東ヨーロッパのワルシャワ条約機構軍でした。おおまかなイメージはドナウ川を隔ててヨーロッパを東西に二分し陸続きで対峙していたという図式になります。

原加盟国(1949年) - 12カ国
アメリカ合衆国・イギリス・ フランス・ カナダ・ オランダ・ ベルギー・ ルクセンブルク・ デンマーク・ アイスランド・ ノルウェー・イタリア・ ポルトガル
その後の加盟国
1952年 ギリシャ・ トルコ
1955年 西ドイツ
1982年 スペイン
西ヨーロッパのオーストリア、スイス、スエーデンは中立国のため
参加していません。 フランスは一度抜け、また再度加盟しています。

冷戦終結後は東ヨーロッパをとりこみ拡大し
1990年 東ドイツ(直後に統一)
1999年 チェコ・ ハンガリー・ ポーランド
2004年 ブルガリア・ エストニア・ ラトビア・ リトアニア・ ルーマニア・ スロバキア・ スロベニア
2009年 アルバニア・ クロアチア
となっています。


製作について

胴体の形状に破綻なく、組み立ては楽でした。柔らかめのプラスチックですが、ばっちりと左右が合います。
塗装は NATOグリーンとNATOダークグレーでいずれも MRカラー特色のイギリス現用機迷彩色からダークグリーンとダークシーグレーを使っています。イエローはクロームイエロー系の特色のイエローを使用。
黒帯もデコボコが多いのでマスキングゾルを使って塗りましたが、問題はこのマスキングゾルの入手。 MRカラーの大人の事情なのか 旧版が乾燥後の膜も丈夫で使い良かったのですが数年前に廃止となり、その代り ゴム系のマスキングゾルが発売されたが ナイフでカットできず使えない。
 改良版として発売されたNEOはカットはできるが 乾燥後の膜が水で再溶解してしまう弱い膜という致命的な欠陥があり、マスキング膜としては使い物にならず。困ったものです。 
 現在、旧版の在庫でしのいでいますが、もうビンの底が見えています。なんとか使えそうなのはハセガワTRYTOOLのマスキングリキッドのみですが 簡単には入手できません。
最近では近在のプラモデル店が絶滅しているため、塗料の入手も通販に頼らなければならなくなり、プラモ作りも 暗黒時代に突入なのでしょうか。



メインローターはバランサーも別部品となっていて簡単な構成ながら実感があります。胴体塗装後に差し込めるようにしておきました。 各部のアンテナやテイルスキッドを金属線で作り変えるとシャープになります。
救難ヘリコプタは どれも塗装が派手で、ヘリコレクションも楽しいものです。あなたも一ついかがでしょうか。



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Vol 57 2013 July    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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