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誌上個展

レベル・ファイターシリーズを追って
(フィアットCR42ファルコ)

by  コルディッツ

  フィアットCR42は現在4機残っています。イギリス空軍博物館(ヘンドン)、戦争博物館
(ダックスフォード)、イタリア空軍博物館(ブラッチアーノ)、スウェーデン空軍博物館
(リンヒェーピング)ですが、戦争博物館とイタリア空軍博物館の物は近年レストアが完了
したそうですが、まだ未見です。
 レベル・ファイターシリーズのフィアットCR42は、組み立てやすい複葉機で、神経質に
糸を張り巡らす必要もなく、塗装もラフそうで、横着者の私に格好なキットでした(笑)。
 そして高校生の頃に「航空情報」誌に掲載された北欧空戦史「森と湖と空」を読んで、
フィンランド空軍ファンになったのは当然、スウェーデン空軍ファンにもなり、王冠三つの
国籍マークをつけたCR42を数機作りました。マークはスーパーモデル社のRe2000から
流用。実機は2003年7月にスウェーデン空軍博物館で拝観しています。
 10年前なので、撮影はほとんどフィルム式。デジタルカメラも併用していましたが、デジ
カメはバッテリー切れを起こしやすく、容量も少なかったので、あまり使いませんでした。
その結果、今回のように当時の資料探しをしてみたら、ほとんど写真を見つけられない
事態に青ざめました。資料整理は、その時にきちんとしておかないとダメですね。
 という訳でCR42の写真は1枚きりですが、スウェーデン空軍博物館は異色の機体が
多いので、併せてご紹介させていただきます。
 現在は独自の兵器システムによる高度国防国家として著名なスウェーデンも、第二次
世界大戦勃発時は大した軍備はなく、四周が戦場になったスウェーデンは、中立維持
に悪戦苦闘しました。軍事力がないばかりにドイツ軍のスウェーデン領土内移動を認め
ざる得なくなったり、イギリス版風船爆弾が落下したり。そこで空軍力強化のため、国産
機開発に励みつつ、急場をしのぐために各国から軍用機を輸入しましたが、これがまた
低性能な機体だらけという、気の毒なような吹き出したいような…
 結果として、そんなユーモラスな軍拡の成果が博物館に溢れています。
 今は博物館へのアクセス手段は変わっているかもしれませんので、これから行かれる
方は、リンヒェービングの観光案内所等でご確認をお願いします。
 私はストックホルムから国鉄でリンヒェービング駅に。そして駅構内に隣接するバス営
業所で、海外で一番役に立つ英語構文「I Would like to ○○」で質問して、博物館前を
通る路線バスを教えてもらい乗車しました。でバスが博物館に近づいたように思われた
ので、バス運転手に例の構文で質問しようとしたら、「I can't speak English」と返され
絶句した覚えがあります。幸い博物館は野外にドラゲンやヴィゲンを展示しているので、
間違いようはありませんでしたが。

CR42(スウェーデン名はJ11。Jはスウェーデン語の戦闘機を意味します)


FFVS(航空庁国立工場) J22戦闘機 スウェーデンの豊かな鋼材と木材を生かした
鋼材フレームの合板張りの機体。エンジンはP&Wツイン・ワスプの無断コピー。
 マリヴォクス1/72のキットを買ったままになっています。何とかしなくては…



サーブB17(Bはスウェーデン空軍の爆撃機)



サーブB18、当時レストア中でしたので、もう修復し終わっているかと。



 レプリカのカプロニCa313(スウェーデン名はB16)





Ju86(スウェーデン名はB3)



Fi156(スウェーデン名はS14)



EP-106(P35の輸出版、J9)





Re2000(J20) イタリア迷彩はやはり美しいですね!



左側面はスケルトン!



Re2000機首下部



Re2000排気管周囲



Re2000主脚



Re2000主脚格納部分



P35とそのコピーと言われるRe2000が並べて見れるのはスウェーデンだけ。



手前Re2000、P35(EP106)、グラジェーター(J8)が並ぶ光景もスウェーデンならでは



(参考)2005年アメリカ空軍博物館(デイトン)にて。撮影するならスウェーデンの方ですね。



スピットファイアPR.ⅩⅨ 拝観当時、なぜか博物館のチラシの表紙でした。
 エアフックスからこの模型が出ていますね。



サーブJ21R 双胴推進式のサーブJ21Aのジェット機版ですが、レシプロ機との共有部分は
50%に過ぎないそうです



サーブJ21Rの後方はレシプロエンジンのJ21A



フィンランドの冬戦争に義勇部隊として参加したスウェーデン空軍F19部隊のグロスター
グラジェーター(J8)。スキーが重そうです。





サーブS32ランセン



路線バスはこの前を走りますから、間違いようはありません。



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