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誌上個展

レベル・ファイターシリーズを追って
(マッキMC.200サエッタ)

by  コルディッツ

 レベル・ファイターシリーズのMC200サエッタは、私が初めて塗装したキットでした。
 この時、プラモデル作りの充実感を感じたものだから、その後のプラモデルの迷路に
入り込んでしまった私にとっては、いわば傾国の美女です。
 塗装と言っても上面緑色、下面灰色に筆塗装しただけ。塗料はレベルカラーではなく、
マルサンカラーだと思いますが、シンナーの臭いに閉口しながらも、夢中でした。
 はるか後年になってスウィート社から、1/144キットの第一弾としてMC200がリリース
された時に大量買いしたのは、たぶんこの時の「刷り込み」ではないかと。
 そして大人になったら海外にある実機を見て、レベルやエアフィックスやフロッグのプラ
モデルを買いまくる「野望」を抱くようになったのも、このMC200サエッタの存在が大きい
です。しかし本当に行き始めた頃にはフロッグは倒産し、日本のプラモデル業界が力を
つけて、ヨーロッパのプラモデル店で田宮模型のキットを多く見かけるようになるとは…
 MC200の実機はアメリカ航空博物館(デイトン)の他に、イタリア空軍博物館(ブラチァ
ーノ)に展示されています。2003年8月にイタリアに行く機会があり、ローマから鉄道で
ブラチァーノ駅に行きました。チケットはローマ駅の自動発券機で購入しましたが、モニ
ターに表示される英語の説明で何とかなりました。ブラチァーノ駅から街の中心通りに..
ある観光案内所に寄って、博物館へのルートとアクセスを確認しました。ルートは単純で
まっすぐ街を抜けてブラチァーノ湖岸に到着したら、湖沿いの道をひたすら進めば良い
のです。しかしバスなど公共交通機関はなく、タクシーかレンタカーか徒歩の三択問題。
 当然私は徒歩を選択しましたが、これが夏の真っ盛りに湖岸を一人歩く私は、すぐに
息も絶え絶え。しかし道には休める所はなく、車には無情にも次々と抜かれ焦りました。
 1時間以上歩いたと記憶していますが、やっと博物館に着くと、まず売店に飛び込み、
コーラーをがんがん飲みました。MC200との対面を果たした帰路も徒歩にしましたが、
往路よりももっとひどい、たぶん熱中症状態になりましたので、夏に徒歩でイタリア空軍
博物館に詣でる方は、水分摂取にご注意を。
 イタリア空軍博物館にはMC200以外にも、SM79やMC205、そしてマッキMC72やカン
ピーニなど他では絶対にお目にかかれない機体が多く、そして撮影もしやすいので、
一生に一度は訪れたい博物館であります。
 アメリカ航空博物館のMC200には、2005年12月に対面しました。こちらはデイトン
市内のホテルからタクシーで往復と横着しました。コレクションの機数は膨大で、アメリカ
空軍史に登場する、ほぼ全機種が揃っているし、Me109G10やFw190Dもあるので、外せ
ない博物館だと思います。しかも受付係員が流暢な日本語には度肝を抜かれました。
ただ私が行った時だけかもしれませんが、館内の照明が暗くて撮影がうまくできなかった
のが、返す返すも残念でした。
 その後イタリア空軍博物館にはフィアットCR42が加わりましたので、また拝観に行け
ればいいなと思っています。
 なお「ブラチァーノのイタリア空軍博物館」と表記しているのは、詣でるための便宜上
です。正式な訳語は「ヴィーニャ・ディ・ヴァッレ空軍史博物館」になります。

マッキMC200サエッタ




アメリカ空軍博物館のMC200サエッタ


SM79。エアフィックスのボックスアートは見事でしたね。





MC205ベルトロ。ミラノのレオナルド・ダ・ヴィンチ博物館にもありますが、未見です。


フィアットG59



1926年イタリアにシュナイダー・トロフィーをもたらしたマッキM.39


世界一早い水上機マッキMC72


カンピニ・カプロニN1 1940年初飛行。


大阪万国博覧会のイタリア館で展示された事のあるアンサルドS.V.A.5に再会出来ました!


フィアットG91 フレッチトリコロール 田宮1/100をよく作りました。



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