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誌上個展

Bf-109G14  (フジミ 1/50)

by 田口 博通 Hiromichi Taguchi




 フジミの旧版1/50 Bf109G です。カラヤハートのハルトマンの機体塗装としています。 
 個人的に思い出深い作品で、1970年代中ごろ作ったものです。この作品だけは金属缶に乾燥剤を入れて大切に保存してありました。いつか発表してやりたいと思っていましたが、フジミ特集を機会に発表させていただくことにしました。
 このフジミのBf109Gは コンプレッサーを70年代当時蒲田にあったベンケイ社で大枚をはたいて購入し、本格的にエアブラシを使うようになった頃の作品です。
エアブラシはヤング88で、今でも大切に使っています。エアブラシもコンプレッサーも40年壊れることなく使えており、その耐久性には驚くばかりです。



 このBf-109Gはフジミが油の乗り切った1970年代にリリースされたと記憶していますが、表面のリベットモールド、抜群のスタイルに魅了されました。プラスチックも厚めで強度がありました。
 フジミのフォッケとスピッツは胴体にモーターを無理に仕込もうとしたために、残念ながらスタイルが崩れてしまいましたが、このメッサーはスタイルモデルに徹したコンセプトが功を奏し、文句ないスタイルに仕上がっていました。
 キャノピーと垂直尾翼がG-13とG-14,K型で選択できるようになっていました。各部隊のマークが含まれた大判のサービスデカールがついており、全てのメッサー部隊が再現できるような高揚感にとらわれました。



 この作品では それまで苦労していたエアブラシによる胴体のモットリング塗装が 非常にうまくできました。(私的には)。 それまでの方法との大きな違いは、 ヤング88のノズルを一杯に絞り、一つの斑点を複数の小さな斑点の集合で書くようにしたことです。
 それまでは ヤング88はシングルですから、斑点の大きさにノズルを調整していたので、結果、どうしても斑点が大きくなり、また、べたっと塗料が噴出されることもあり、きれいな斑点塗装にならなかったのです。 
 
 作品の製作を重ねるうち、レベルの1/72屠龍では、斑点の型紙を作って使ってみましたが、これも「なんとなく、しっくりこないね」でした。
 この型紙、MA誌の記事を参考にしました。厚紙に線香で斑点形状の穴を開けるというもので、にょろにょろと斑点の穴が黒く焦げてあきます。線香の香と紙の焼ける匂いが、部屋一杯にただよいまして、しばらくは、お盆のお寺の本堂のごとくとなりました。
 ドイツ機のモットリングはやはり、吹きっぱなしでやりたい。試行錯誤の結果、うまく行ったのが、このフジミのBf-109Gだったのです。



 苦労したのは機首のチューリップの黒白塗り分けで、マスキングゾルで行いました。スピナーの渦巻きも意外と苦労しました。
 ブレーキワイヤーもシンチュウ線で付加し、胴体上の無線アンテナは、洋白平線で追加しました。
当時は若かりし時代で、バイブルだったMA誌を見ながら、追加工作をしたことが懐かしく思い出されます。
 フジミの全体にかちっとした構成と リベットラインを見るたびに、あの頃のフジミの飛行機プラモは本当にすごかったなーと思い返しています。




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Vol 59 2013 September    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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