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誌上個展

F-15 イーグル (アリイ 1/144)

by 加藤 寛之




 私にとってF-15は、何と言っても翼端が四角いこの形こそイーグルだ。背中のエアブレーキも四角くて小さくて、いかにも初期っぽい。これでなくちゃ、あの登場時のインパクトを思い出せない。サイレントなど無関係な時代の、スッキリと引き締ったボディーがカッコいいぞ! 細かくいえば、このキットのデカールは原型1号機だが、水平尾翼前縁が犬歯状なので形状は3号機から7号機あたりなのだろう。 ハセガワ1/72(初代)もマンネン1/100の金型も、角形の翼端で発売したけれども実機を追いかけて切り落とし形状に改造してしまった。ところがこのキットだけは40年を超えて初期形状が健在で、しかも300円で入手できるのだから嬉しい。以前、当Web誌の記事で旧LS製と紹介したが、旧オオタキ製だった。申し訳ありません、訂正いたします。




 簡単なキットで、主翼付きの胴体上パーツ、水平尾翼付きの胴体下パーツ、機首の右と左に風防を載せ、2枚の垂直尾翼を立てると、もうイーグルの形になる。これに排気口や脚周りを付ければ出来上がり。お好みでミサイルを4本付けられる。前日の午後に開封して、たっぷり睡眠、翌朝に完成した。   手を加えたところは、ダルい翼端を削ってスッキリさせ、主翼前縁は下面側を削って薄く見せ、翼端も薄く整形、水平尾翼も同様に前縁の下面側を削った。垂直尾翼先端の棒をランナーで作った細いものに交換、あとは風防内に椅子の上部だけを新造したくらいか。つまりパテは使わず、切ったり削ったりで改善できることしかしていない。




 古い金型のキットだし1/144なのだから資料など不要なのに、3点も出した。イーグルの資料本はいろいろあるが、初期型はあまり載っていないことが普通。そこで選んだのが、『航空ファン』1973年12月号、『in action №24 F-15 EAGLE』(1976年)、『F-15 EAGLE』(モデルアート社、第236集、昭和59年)。 この中では『航空ファン』と『in action』が初期型製作に向いている。モデルアート社の増刊号はアリイのキットの製作記事を参考にしようとしたのだが、載っていなかった。残念、空振りでした。




 塗装では、エアスペリオリティブルーの既成色をそのまま使ったら、やはり濃すぎた。スケール効果があるのでもっと明るい方がイイなと思ったが、塗っちゃったのだからこれでよい。ディグローオレンジは、オレンジ色に赤を加えたもの。あまり似ていないが、せっかく混色したので塗ってしまった。色の塗りわけは、あらかじめカッターで筋を引いておき、それに沿って筆塗り。我ながら“うまく塗れたじゃないか”で、充分に合格。 各翼の前縁にある塗り残しのような所は、オレンジを塗ったあとで筆の腹で前縁を撫でるようにして塗った。細部の色は、見た感じが面白いようにウソの色で塗ったところもある。困ったのは機体後部にある無塗装部分で、その範囲が分からない。テキトウに塗っておいた。デカールは原型1号機のものだから、3号機から7号機にはないイーグルが飛んでいるようなイラストが付いている。当然、カッコイイので貼っておいた。




 出来上がった感じは、なかなか良い。簡単に出来上がるのがプラモデルらしくて好き。しかも300円なのだから、これは優良品だ。そりゃあ、風防の形がヘンだとか、キットのままでは主翼がダルいとか、脚カバーの形を一部誤解しているとか、デカールが1号機では形と合わないとか、あるにはあるがどれもこれも些細なことだ。 大好きな初期イーグルのキットに文句は言わない。これが製作後の感想だ。売っている今のうちに買っておかないと、大損するよ~。見つけたら、買ってね。


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Vol 60 2013 October.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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