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誌上個展

99式軍偵察機/襲撃機 (ニチモ 1/48)

by 田口博通 Hiromichi Taguchi




 「海のニチモ」と称された日本模型 略してニチモですが、飛行機モデルでも凝りに凝ったキットを作っていました。 中でも、1/48日本大戦機シリーズは コクピットの中が半端ではありませんでした。また、エンジンだけでなく、エンジン架など見えない部分も半端ではありません。ほとんどの製品が外形や構造の資料だけでなく、実機の取扱い説明書も参考に製作されていて、精密を極めていました。この99式軍偵も最高の時期に発売されたキットです。
 箱絵は衝撃的な独立飛行第49隊の青い機体です。以前から一度作ってみたいと思っていた99式軍偵を この機会に箱絵のままに作ってみることにしました。
 実機は 三菱で堅実と実用性に徹して設計され、戦闘機パイロットを絶句させた抜群の操縦性能を持ったそうです。
エンジンはハ-26 900馬力を装備、最大速度は424kmでした。滑走距離は 165m。
 武装は主翼に7.7㎜機銃2丁(後期型は12.7mm)、胴体後方に 7.7mm機銃を装備していました。爆弾は計200 kg 。 50kg爆弾を4発抱えて出撃することがあったようです。
 胴体下面は地上攻撃任務という性格上、エンジン部から操縦席下面にかけて6mmのアーマープレートで装甲されています。





 コクピットとエンジン架は 部品点数が多いので、一つ一つ 楽しみながら製作していけます。
丸メカニックNo.35を持っておられる方はぜひ取り出してみてください。高荷画伯のコクピット画が大変参考になります。
操縦桿だけでなく、写真機、弾薬など 丁寧に塗り分けながら進めました。丸メカでは緑系のコクピット塗装なのですが、青竹色にしてみました。
後部座席もよく出来ています。
エンジン架は全く見えなくなりますが、塗装しておきます。で 半身で 記念撮影です。

コクピット内部 


 さて、精密に出来ているコクピットですが、いくつか不満な部分もあります。
 まず、操縦者の座席ですが、クッションだけしかない不思議な形をしているので、クッションの周りにプラ板で座席を作ってやりましょう。これだけは ぜひやった方がいいと思います。シートベルトは板鉛で自作しました。
 
 後部計器板は計器2個と電源ボックスのものをプラ板で自作しました。操縦桿はキット部品が機体内部に入りこんで取れなくなったため、シンチュウ線とパイプで作って、パイプの部分を曲げ、再製作しています。
 ヘッドレストですが、キットの部品を追加工して素通しの穴を開け、ヘッドレストはプラ板で製作しました。
後席の機銃架は2mm幅のシンチュウ平板で追加しましたが、いい雰囲気になりました。
追加工したシート 、操縦桿、後部計器板
 

追加工したヘッドレスト

完成した操縦席


 塗装は下面は 灰白色、 上面の青はMrカラーのコバルト色を吹き付けました。ショッキングな青色ですが、ローアンバーの油彩でフィルタリングすると 落ち着いた色になります。
 油彩のふき取りが足らなかったのか、スジ彫りに意図したより多めに残ってしまい、パネルラインのスミイレが写真を撮ると強調される結果になってしまい反省です。
 時間切れで、主翼の前照灯と前縁の味方識別黄色帯が塗装できていません。
 このままではまだ模型然としているので、後日、ハゲチョロウエザリングを含め、ゆっくりと手を入れてやりたいと思います。
 ニチモのキットは、手を入れれば入れるほど、実感の高まっていくプラモデルだと思います。




 ニチモが本当に輝いていた時代のプラモデルです。作り手の力がちょいと足らず、模型然とした所があるのはお許しいただいて、スタイルをみると99式軍偵察機の雰囲気が周囲にあふれます。 ニチモは現在は新製品の開発を止め、旧製品の生産販売だけを行っていますが
 我々 ニチモファンは 再びニチモが輝くことを切望しています。




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