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誌上個展

屠龍 (レベル 1/72)

by 田口博通 Hiromichi Taguchi



 数年前に ヤフオクで見つけ思わず”ポチッ”と押してしまった レベルの屠龍をまた作ってみました。
もうずいぶん以前に絶版になっているこのキットが欲しかったのは カウリングが開いてエンジンが見えることと、スタイルが良くて、いかにも屠龍らしく見えるからでした。
 実際に作ってみると、主翼前縁ライトなど追加工の必要な部分もあるが、完成の姿がやはり素晴らしい。
 確か 1970年代の日本設計のキットでグンゼレベルから発売になり、その後タカラからも発売されたものの、いつのまにか消滅したように記憶しています。
ハセガワから後年、新金型の屠龍が発売され そちらも作ったが、完成した姿は 今回作ったレベルの方が好みです。
 木型と製図版に感性を足して設計されたキットをあなどるなかれ。




 せっかくのエンジンなのですが、カウリングの立てつけが悪く、両面テープで接着してしまいました。
翼後縁が少し厚いのですが、動翼の絹目表面モールドをつぶすにはもったいなく、そのままにしました。
まだら迷彩は直吹きでなく、型紙を作って吹き付けましたが、濃緑色のエッジがうまく出たような気がします。
デカールは劣化していたのでマーキングは25の文字以外は手書きしてみました。




 実機は性能が今一つで、迎撃上昇時間を短縮するに苦労し 戦果を出すにも相当の苦労があったようです。それらの事は幼少の時に読んだ屠龍搭乗員の雲野和義軍曹を描いた漫画 滝沢聖峰作「迎撃戦闘隊」「「帝都邀撃隊」で屠龍を知りました。心を打つ名作でしたが、今でも売っているようです。
 エンディング近くで雲野は体当たり攻撃を敢行しますが、同乗の折坂に「今日は一緒に上がらなくていいぞ」と語りかけます。折坂はその言葉の持つ意味を即座に解し 「いえ! ご一緒させていただきます!」とお互い笑み、「よし、行くぞ!」と出撃していきます。(話はここで終わりでなく、続きがあるのが更に泣かせるところです。)
  等身大の「戦争」を描いた作品に登場する 守るべき大切な肉親も大空襲で失い、生死の挟間にあった日本航空兵の情感を乗せた屠龍がどんな機か、そのイメージを再現できたかを考えつつ、筆をおきたいと思います。

 




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Vol61  2013 November.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /             editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー

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