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プラモデル“反省”記

反省者:加藤 寛之

 明けましておめでとうございます。
 私がプラモデルに色を塗り始めて、あと数年で50年になります。「プラモデル半世紀」と書きたいけれども、事実は反省記。新年早々から“あれはマズかった”という、プラモデルで傷ついた心の痛手のお話しです。
失敗談は広範囲に及ぶけれども、今回は(次回はないと思うけど)WW2の日本機に絞ってお話しします。


 まず、操縦席内側や脚収納庫の色です。小学校のころは濃い緑色で塗ったのですが、まあ、これは許せます。そのうちに「日本機は青竹色だ」という教養を身につけ、“ハイ、分かりました”で、だいぶ長い年月、青竹色に塗っていました。そのうちに、「○○は青灰色だ」とか「○○系内部色」だとか、いろいろ出現。「オイオイ、それじゃあ、今までのは何だったんだヨ」と言いたいです。
 
 機内は青竹色だっていうから青竹色にしたのに、コックピットは違う色だって!それに加えて最近は、脚収納庫は下面色っていうのが激増していますでしょ、脚カバーの内側も下面色だというでしょ、もう、散々です。・・・それはね、研究の成果でしょうが、私は言われたことを信じてきたんです。そうは言っても、写真で見える明度から青竹色に疑問をもったこともあったのに無批判に塗っていたのも、確かにこの私です、ええ、私の責任です。


 似たようなものにアンテナ柱の茶色があります。木製ということで茶色なのでしょうが、この茶色はいつ頃から主張が強くなったのでしょうね。それが、またいつのまにか下火になり、今や塗装図の多くが機体色と同じになった気がします。
 
 根性ナシの私は世の中の流れに逆らわないようにしてきたけれど、本当はいったい何色なんですか、どうなんですか!ちなみにですね、『プラモ・ガイド』1972年春版(あとでもう一度出てくる)で秋本実氏は「暗緑色または茶褐色」としています。ウ~ン・・・、自己責任ですか。なんでも茶色に塗った私が悪い、ということでしょうか。


 皆さんは、「尾輪柱は何色だろうか」と悩んだことはありませんか。主脚柱が黒い機種の尾輪柱は何色?主脚柱が灰色のときは?全機がそうなの?この辺りが疑問になることが多いです。塗装指示で書いてあってもホントウに正しいか否か、分かりません。白黒写真で明るく写っていたって、無塗装の金属色か、銀色塗装か、灰色か、それとも反射で明るいのか、サッパリ分かりません。再塗装した現存機なんて、もちろんアテになりません。 だから私は、多くの場合、テキトウに塗っています。そしてイイカゲンに塗ったことを黙っています。自分の自由で作るのならば、それでもいいけれども、人前に出すとなると「黙っている」のは心が苦しい。でも、黙っています。今後も改善できるほど知識が増えるとは思えないし、今後も黙っている行為を反省し続けるのでしょう。


 プロペラの先端側にある黄色の帯にも反省アリです。数年前、いろいろ雑誌掲載写真を見ていて、プロペラの黄色帯がやけに黒っぽく写っているものがあることに気づきました。「黄色でないなら赤だろう」と判断しました。そう推定したんです、赤線2本の時代もあったからね。そこで、いろいろな人に「赤いのがあるらしい」と吹いてまわったのです。ところがあるとき、フッと気付いたのです。“黄色が黒く発色するフィルムかも知れない・・・”と。もう、汗が噴出しました。“これは要再検討だ”(もちろん、まだしていない)。おそらく、主翼前縁の黄色が上面色に溶け込んで見えないときは要注意だろうと思うのです。そうは言っても、まずは「反省」です。人生は反省なのです。
そんな厄介な議論でなくても、主翼前縁の黄色は胴体との接点から下面にかけて、どこまで塗れば良いのでしょうか。これは写真を探せば分からないものでもないのですが、私は結構イイカゲンです。だって、この部分は多くのプラモデルでテキトウに造形してあることが多いのよ。そこに加えて主翼の断面形がメタメタだと、もう実機とは全然違う塗りわけになるわけです。「皆、どうしてるンだろうナぁ」とは思いながら、これもテキトウ塗りだとは黙っています。


 でも自分の思い込みが原因で、さすがに言い逃れできないものもあります。WW2からは逸脱しますが、私の中でも痛恨の一つが現代機のトムキャット、中央翼前縁のベーンです。『プラモ・ガイド』1972年春版掲載のモノグラム製キットの説明のなかに「2号機においては、このベーンは廃止されてしまった」とあったので、てっきり全廃されたと思い込んでいたのです。ずっと、ず~っと、40年以上も思い込んでいたのです、「ベーンは全廃された」のだと。私の完璧な勘違いです。実は「それにしてはベーンが写った写真が多いな」「1号機じゃないみたいだし・・・」とも思っていました。思っていたのに調べなかったのです、それがマズイのです・・・。 先日、雑誌をその気でみたら、あちらこちらで飛行中に展開した姿が写っているじゃありませんか。当然ですが、某有名メーカーのプラモデルも、ちゃんとベーンを造ってありました。そうですよね、前出のキット評でも全機廃止とは書いてありませんね、「2号機においては」と書いていますよね。ああ、これは完璧に私に責任があります。反省、反省、大反省です。ここで読者の皆様へおたずねしたいのですが、前出のベーン廃止の記事のことですが、ホントウに2号機では廃止されたのですか?それならば復活はいつだったのですか?教えてください!。


 反省&懺悔は尽きませんので、ここでムリヤリ終わりにします。悪意ではなかったにせよ、誤りは謝らねばなりません、“深く反省しています、皆様、お許しください、お許しください~~”




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Vol.63  2014 January.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /             editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー

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