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Hawker Siddeley Harrier GR.1 (AIRFIX 1/72)
ホーカー シドレー ハリアーGR.1 (エアフィックス 1/72)

by 田口 博通 Hiromichi Taguchi




 2013年冬に、ハリアーGR.1の1/72新金型キットが エアフィックスから登場した。2009年から始まった刷新シリーズの一機だ。

 さっそく 作ってみたので 紹介しよう。
  今回新登場したエアフィックスのGR1キットは、さすが最新の設計. 
組みあがると雰囲気が抜群だ。コクピットやエアダクトの構成も見直され、実感の高いものになっている。



ホーカーシドレーハリアーGR.1について

 ハリアーはご存じの通り、垂直離着陸可能なジェット戦闘機(VTOL機)である。原型P.1127は、画期的な推力偏向式のジェットエンジンであるペガサスエンジンによって 離着陸時のみノズル(排気の吹き出し口)を動かして推力を真下方向に偏向する方式を採用した。
 1960年10月に初のホバリング飛行が行われ、1961年3月に水平飛行、同年9月には垂直飛行から水平飛行への転換飛行に成功した。
これがケストレル試作機に発展し、1964年にはイギリス、西ドイツ、アメリカで構成された三ヶ国共同評価飛行隊による運用試験へと進んだ。
 
   イギリス空軍は、ケストレルの実用型で対地攻撃機を示すGRの型名を付けたハリアー GR.1の発注を行い、GR.1は1966年8月に初飛行を行った。このGR.1は1968年7月から部隊配備が開始された。
その後、レーザーセンサーの機首への追加装備がされ、GR3へと改修。実戦にはGR3がフォークランド戦争に参加し、いかんなくその性能を発揮している。

エンジン: ペガサス Mk.101/Mk.102/Mk.103
GR1 78機生産。後にGR3に改修される。
GR3 40機新造

キットについて

 パネルラインはスジ彫り。主翼は上面左右が一体で、フラップとエルロンは主翼下面部品に一体となっている。 垂直尾翼がバリエーション展開のためか別部品になっている。
 
 また胴体は左右分割だが、エアインテークの分割がダクトと共によく考えられていて、インテークから覗きこんでも実感が高い。また側面のエアドア部品が2種類用意されていて、上部数枚が開いた着陸状態 と、閉じた飛行状態が選べる。
下面エアブレーキも開閉が選択できる。   
 少し柔らかめのプラスチック材質で、エアフィックスらしい感触だ。 組むと かっちりというわけではないが、不思議と部品の合いが良い。

 デカールは印刷も良好な最近のエアフィクス標準のもの。箱絵は CG画で 林の中の空き地からの発進シーンが再現された魅力的なものだ。
 説明書はカラー塗装図を含んだ12ページの小冊子様のものが付属している。
 


 主翼部品


デカールと透明部品
  胴体部品


製作

コクピットと胴体
 下の写真のような構成になる。


エアインテークは内部ダクトが別部品になっていて、実感を高め、内側隔壁が前脚庫壁と一体になっている。よく考えられた合理的な構成だ。


  内部は艶消しグレーで塗り、デカールの計器を貼れば、簡単に完成するようになっている。射出シートも基本形状は良好だ。
 


エアインテークは エアドア部品が2種類用意されているので、着陸姿勢用を選択した。



 内部部品を組み込んでから、胴体を貼り合わせるが、念のため 粘土の錘を機首に組み込んだ。
 水平尾翼は19度回転可動するように構成されているので、尾翼止め部品をつけてから、垂直尾翼を接着すると 形になる。
 エアインテークも胴体との合いが良いのがとてもありがたい。主翼上面も合わせがよいので、パテを必要としなかった。さすが、最近の3D CAD設計だ。 主翼のエルロンとフラップ後縁はペーパーで少し薄く削っておいた。垂直尾翼後縁も同様に整形した。


塗装、デカール貼り
 キットのカラー塗装図はハンブロールNoで指定されているが、日本ではハンブロールは入手しずらいので、
Mrカラーの特色を用いて
下面  ライトエアクラフトグレー No.332
上面  ダークグリーン、No.330
     ダークシーグレー No.331
で塗装すると楽だ。ダークグリーンとダークグレーの境目も割とはっきりとしているので、吹き付けよりも筆塗の方が楽で実感が出やすいだろう。
筆者は面相筆1本で塗装した。
 
 主翼上面のボーテックスジェネレーターが薄く成形されているので、せっかくだから塗料が根本にたまらないように注意しよう。
 
 デカールは印刷もきれいな良質なもので、細かいコーションマークまで用意されている。 
 
 実機は表面が艶消しでなく、艶ありとされているのだが、運用中に艶も落ち気味で、 72スケール効果もあるから、デカールが落ち着いてから、保護も兼ねて 少し艶を落としたクリアを吹いておくとよい。 
 スミイレは油彩のローアンバーで軽めに行った。


筆塗りでも上面を塗装する時には下面をマスキングテープで保護しておこう。





 タイヤは自重変形タイヤを選択した。前脚、主脚ともしっかりと角度も決めて接着できるのがさすがで、この楽さ加減がありがたい。
 ピトー管だけはシンチュウパイプと洋白線で自作し、シャープさを演出した。
可動ジェット排気口、アンテナ、武装をとりつければ、見事完成となる。


完成

 できたモデルは実機の雰囲気を良く再現している。前脚の長さもちょうど良く、機首の上がり具合もイメージ通りだ。
 また、翼端の補助輪も含み、全車輪が設置するというのはなんでもないことのようだが、気持ちがいい。 
 全体フォルムと 佇まいは ハリアーGR1の1/72キットでは 間違いなくベストキットだろう。

 説明書を見ながら、その工程のままに、特に迷うこともなく、実質3日間のストレート作りで 、簡単に完成した。航空機モデルとしての基本的な工作さえ押さえておけば、どこから見ても魅力的なスタイルのハリアが誰にでも完成するのは、当たり前のようだが、それは大変なこと。 
  エアフィックスのプラモデルがしっかりと進化しているのを感じる。
 この出来で、詳細な12ページ説明書もついて、実勢約1200円程度と 新製品が 最近の国産1/72航空機に比べると半分以下のお値段なのだから、抜群のコストパフォーマンスといえる。
 最近のエアフィックスの進化がこの価格で味わえるので、ぜひ 一作をお奨めしたい。





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Vol64  2014 February.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
                    editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー

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