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プラモデルの製作

ドヴォアチーヌ D.510 (SMER 1/72)
DEWOITINE D.510

  by 加藤 寛之




 年末年始の休みに一つも作らないのはもったいないと思い、このキットを開封した。垂直尾翼が三角に見えるので、所属サークルSLBの今年5月の展示会テーマに並べようと思っての選択だ。キットはエレールの金型だろう、古い感じはするが繊細。金型がヘタッて消えかかった筋彫りはカッターの刃で線を引き、金型が歪んで面が膨らんでいるところは削ればよい。 バリもそれほど出ていない。パーツ構成は簡単だから、12月31日に開封、資料などは一切見ずにプラモデルを作るという姿勢で紅白や駅伝の合間に手を動かし、3日の夕方には完成した。昔のプラモデルは簡単だから好きだ。




 この飛行機は1939年夏に初号機が初飛行したようだから、まあ翌年採用として日本式にいえば95式戦闘機。同系機は日本にも輸入されており、日本機との比較や96式艦上戦闘機を水冷エンジンに改造した3号艦戦のモデルになっている。 細かいことを気にしなければ、日の丸を付けてもよいわけだ。『日本航空機総集』第六巻によれば、海軍は「デボアチン戦闘機」と呼称したという。


 

 キットの組み立てに難しいところはない。操縦席の床板は胴体左右接着後でも入るから、早い段階で胴体を合わせておくと作業手順がよい。機首上面はM字型断面を再現するために別パーツなので、胴体につっぱり棒を入れて機首上面パーツと幅を揃える。機首の顎にある冷却器は、5パ-ツで組み上げて胴体に接着するつくりになっている。簡単な削り合わせは必要だが、思ったよりもずっと上手く接着できる。合わせ目に瞬間接着剤を流して接着とパテを兼ねさせる。主脚では困ったことがおきた。スパッツの上に付くはずの支柱部品がみつからない。失くしたのではなく、最初からなかったのだと思う。ランナーを熱で伸ばした細棒で代替したが、寸法が分からないから組むことで探る以外にない。 そのこともあって、スパッツにはタイヤを入れずに支柱と組み上げて胴体に接着し、位置の調整と固定をした。タイヤは一部を切り落としてC形状にしてスパッツに挿し込む、という手順にした。悩んだのは、胴体下面にあるアンテナ。起倒式でないと草地の飛行場では絡まってしまうと思ったのだが、キットの図ではしっかりと立って(逆立ちだが)いる。ここは起倒式だと思う自分を信じて、倒れた形にしておいた。風防は胴体との合がよくないが、この時代のキットではまあ普通の出来といったところ。



 次は塗装。この銀色塗装は、箱を開けてから指定にあることを知った。箱の底面にある緑と茶色の迷彩よりもハデでステキだが、塗装嫌いの私は銀一色というのが良かった。そうはいっても、機体は銀、タイヤとちょっとした場所が黒としか指示されていない。プロペラや操縦席は、どうなっているんだ?排気管も黒でいいのか?いくらなんでも大雑把だと思うなぁ。それはそれとして、今回も我が家の冬仕様ということで水性塗料にしたが、水性塗料の銀はかなり塗りにくい色だと思う。でも、気にせずに塗る。その日は寒かったので、やや塗料の伸びが悪い。水性塗料は寒すぎてもうまく塗れないことを忘れていた。まあ、いいか。 乾燥を助けるために、少し艶消し剤を加えた。塗り上がったらまさしく1円玉の色でガックリ。仕方がないので、ところどころに質感が違う銀色や黒を加えた銀色でパネル周囲を塗ったり、わざと筆の運びが分かるように軽く掃くように塗ったりして、多少は見られるようにした。記事中の写真は、完成品よりもずっと美しく写っている。模型の現物はかなり酷い塗り方になっちゃったが、数日もすれば見慣れるだろう。デカールは貼りにくいほど薄手のもの。だが劣化が始まっていたようで、なんとかゴマカシて貼り付けた。



とりあえず完成した。フランス人のセンスが光るお洒落な形だ。“プラモデル栄えする形だな”と思った。



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