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誌上個展

   KV-Ⅱ ギガント
(タミヤ 1/35 MMシリーズ№63)

by つぶろぐ




私の心に残る傑作キットといえば
タミヤ・MMシリーズ・№63のKV-Ⅱ・ギガントです。
車体には『1972』の刻印、もう42年前のキットになるんですね。
当時小学生だった私、
近所の3軒の模型屋さんの、
どのショウウィンドウにもなぜかコレの完成品が飾られていました。
その威風堂々たるスタイルは
「ひょっとしてタイガー(注:ティーガーとは言わなかった)よっか強いんでね?」ってな
錯覚を小学生に与えるには十分なものでした。




組立説明書の実車説明にも燃えました。
皆様にもゼヒ燃えて頂きたく以下抜粋・・
『・・・こうして明けた2月12日、前日の吹雪も止んで霧にけむるソ連軍最前線は
出撃する戦車のエンジン音でうずまっていた。
兵士達は、濃い霧の中で味方の戦車を待った。
軽戦車が来た。まず砲塔と砲身のシルエットが浮かび上がり、
スポンと戦車が目の前にとび出してくる。
10台の軽戦車中隊であった。兵士達は無言でみつめた。
だが、その後に続く戦車が姿を見せた時には、いっせいに歓声が上がった。
なんという戦車だ。
その高さは4mに近く、見上げる巨体は兵士達のイメージをはるかにこえていた。
兵士達は、あたかも強力な鉄人の力にあやかりたいかのように、この戦車に近づき、
装甲板をたたき、なでさすった・・・』




反面、同じ説明文の後半にはこんな文面も・・・
『・・重量数トンにもなる砲塔の過重のため、登坂中や傾斜地に停車した際には、
砲塔がうまく回転しなかったのです。
(中略)重大な欠陥はほとんど改良されることなく、KV-Ⅱの生産が始められたのです。』
まさにギャフン!!(←当時の常用語)となった訳です。
前置き長過ぎましたね、失礼しました。




さてキットですが・・・
シンプルなデザインとも相まって、少ないパーツでカッチリ組み易いのは
さすがタミヤと思います。
何度目の再販品かは分かりませんが、バリやキズもなく
金型のメンテも行き届いているようです。
んがしかし、
やはり古いキットですので、多少のディテ・アップを施しました。




手すり類の金属線化、フェンダー・ステー作り直し、ヘッドライト透明化(中に電球っぽいの再現)、
牽引ワイヤーを金属ワイヤーに、その取り付け金具を金属線とパイプで自作、
リベット痕追加、排気管開口、吸気口をメッシュに、
砲身をプラパイプに、機銃を金属パイプに、




履帯は内側がつるっとモールドがないので、
トランペッターのKV-Ⅱからベルト式のほうを流用。(トラペのキットにはプラ製連結式も付いてるので)
履帯のたるみは、昔どおりの金属線にて押さえる方法です。




塗装は下塗りにブラウンやブラックを塗り、基本色のロシアン・グリーンを
下塗りを潰しすぎないよう薄く吹きました。
その後、退色しそうな上面やエッジ部分にハイライト(ロシアン・グリーン+白少々)を
エアブラシで単調にならぬよう細吹きしてます。(ドライブラシはしていません。)
ウェザリングは、なにぶん表面積が広いのでやりがいがあります。
エナメルのグレーやブラウンで塗装剥がれをチッピング、
錆やその流れた跡、雨だれをウォッシング等々・・・
フェンダーの上面や足回りに残った土は、
まさに本物の土に木工用ボンドを混ぜたものを使っています。
ついでに色調を変えて乾いた土と湿った土を再現してみました。



妙にリキの入った兵隊さんも同キットのものです。
今の水準で比べるべくもありませんが、
とても西洋人には見えない、彫りが浅く塗りにくい顔といい、
なぜかアニメチックなブーツ(長靴か?)といい、
なかなかいい味出してると思います。



それにしてもやっぱKV-Ⅱ、かっくいいっす。
私の中ではいつまでたっても最強の戦車です。

以上長文、失礼致しました。


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