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誌上個展

ハインケルHe219ウーフー (タミヤ1/48)

by 田口博通 Hiromichi Taguchi



 ドイツのトンボのような夜間戦闘機 ハインケルHe219ウーフー がタミヤから発売されたのは 1997年 もう17年近く前になる。
 それまでは、1/72 で レベルとフロッグ、1/48でレジンキットが発売されていたのみで、メジャーのメーカーによる本格的な48モデルは初めてだった。キットのサブタイプはA-7だが 生産開始が1944年12月とヨーロッパ戦の末期で生産機数も少なかったようだ。 
 パーツ分割はタミヤらしく、大きな主翼の強度もあり、胴体への取り付けも2本の丸棒が用意され固定も楽だった。前脚式3点支持のため、機首オモリが大量に必要になるが、キットにおもりとなる金属ダイキャストコクピットが付属しており、おもりを用意するストレスから解放され 楽ちんに組み立てに集中できたのは嬉しい。




 レーダーアンテナは基部だけキットのプラ製を使い、細いアンテナはシンチュウパイプとシンチュウ線の組み合わせて置き換えてみた。
 カウリングのカーブとカウルフラップの丸みが実機写真と違うような気がするが、ここの修正は難しいのでそのまま。
 胴体上面のMk108斜め銃の装備が再現されていて、胴体カバーもぴったり合うので、とりはずし式にしている。
 翼後縁は薄く削り、フラップは下げ状態で固定した。 



 塗装は キットの指定通りで 下面色グレー76,上面は濃いグレー75の上にグレー76をエアブラシで蛇行迷彩とした。一見 グレー75の斑点迷彩のように見えるが、こうすることで 角が鋭角の斑点迷彩が思ったよりも簡単に実現でき、お奨めしたい方法だ。  よく乾燥させた後で、油彩のローアンバーでスミイレをごく軽く行っている。



 完成すると、機首の大きなキャノピーとレーダーアンテナが異様なスタイルとなる。前脚式で胴体が細いというのもこれまた異形。 でも このスタイルがHe219の所以でドイツマッドメカニック派にはたまらない魅力だ。胴体下面銃をドッドッドッと斉射するとその振動も キッとすごかっただろう。  615km/hの速度が出せる双発機のため、大きな機体だが、これだけの機体規模があって やっと ランカスターと対等に渡り合えたわけだ。
 操縦性は単発戦闘機やモスキートに比べると良くはなかったはずで、大戦末期のサーチライトと爆撃を受けた地上の赤い炎で照らされたドイツ自国上空に奮戦したことに思いを馳せると、敗戦をさとっていたパイロットの心中はいかばかりであったのかと ドイツ人の律義さには頭が下がる思いです。






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