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誌上個展

X-47B GBU-27搭載(プラッツ 1/72)

by 田口博通 Hiromichi Taguchi




 今月の特集は無人機。ここは一機作らねばと、プラッツから 無人攻撃機 X-47Bに GBU-27が装備されたバージョンが先日発売されたので、作ってみた。  この飛行機、全翼機に主翼が付加されたものだが、その姿はまるでUFO。こんな代物が現実に空を平気で飛ぶようになるとは恐ろしい時代になったものだ。


実機について
X-47A

 概念実証機の無人機X-47Aはスケールド・コンポジッツ社で製造され、2003年2月23日に初飛行した。概念的に無人機は大きなラジコン飛行機と考えればよい。
 X-47AはJT15Dターボファンを単発で搭載した全翼機で、機体平面形は四辺形となっていた。

 全翼機の形態はステルス性を意識したもので、インテークは隠され、飛んでいる姿を目撃した人は まさしく円盤UFOと思ったに違いない。
X-47A 後面 ジェット排気口が見える。
(写真 wikipedia より引用)

(写真 wikipedia より引用)

X-47B 無人攻撃機

 続いて実用型の無人戦闘攻撃機X-47Bへとステップが進み、2007年8月米海軍省はノースロップ・グラマン社の開発計画案を承認し、海軍独自の無人戦闘攻撃機開発計画がスタートした。
 
 X-47Aより大きな搭載量と航続距離を求められたX-47BではエンジンはP&W F100単発とされ、機体規模はスケールアップされ、平面形もアスペクト比が変化した。
 X-47Aからの大きな変化は折り畳みの主翼がついたことである。
 X-47Bの模型をA-6イントルーダー攻撃機と並べてみると、機体規模がほぼ同じ。ほぼ同一位置で主翼が折りたたまれることがわかる。これは空母のエレベーター乗降を考慮してのことだ。 
 攻撃機なので、巡航速度は亜音速でよく、マッハ0.45を予定。
 兵装は GBU-31 JDAM × 2 もしくは、GBU-27 X2 を 胴体内爆弾倉に装備する。
 
 X-47Bは2011年2月4日にエドワーズ空軍基地で初飛行に成功した。
 2013年5月にはニミッツ級航空母艦「ジョージ・ブッシュ」からのカタパルト射出試験に成功し、同年7月10日には、パタクセント・リバー海軍航空基地を発った機体が、バージニア州沖を航行中のジョージ・ブッシュへの着艦試験に成功している。以後、順調にテストが続けられている。


空母ジョージ・ブッシュ上のX-47B (wikipediaより引用)

 X-47Bはごく近い将来、空母に無人攻撃機として搭載されることになるが、その任務は 通常兵器による攻撃任務であり、 第一に敵防空ミサイル基地の制圧作戦となる。
  ベトナム戦争時には 軽快なA-4スカイホークが北ベトナムのSAM制圧のアイアンハンド作戦に多く使われていた。
 アイアンハンド作戦とは自機を囮に、隠されたSAMサイトからSAMを撃たせ、撃たれた瞬間にチャフを放出して ポップアップし逃げるかと見せかけておいて 逆に急降下、空対地ミサイル を放つという危険な逆襲作戦で多大の損害を出していた。 対レーダー源誘導ミサイルを使うものをワイルドウィーゼル作戦といい これには F-4Gが使われていたが、いずれも志願者は自殺行為と呼ばれるほど危険な作戦だった。これを無人攻撃機と精密誘導兵器で行おうというのである。
  また、ステルス性を生かして、敵司令部などの重要施設のピンポイント攻撃や、奇襲攻撃にも多用されるようになるとみられる。いずれも人的被害を恐れることがないので、最悪 片道攻撃でもよく、今まで躊躇していたリスキーな攻撃作戦も実行されるようになるであろう。

 戦争となると、空には、無人戦闘機が舞い、無人攻撃機が地上攻撃をする時代がすぐそこまでやってきているのである。
 


 キットの指定通りに作り、爆弾倉を開けて GBU-27を2発 搭載してみた。グレー迷彩を吹き付け、ウォークウエイの細いラインはさらっと省略。スミイレは同系色が良いと思い、タミヤエナメルのグレーを使ってみた。全体的にシックな姿に収まった。  無人機はコクピットが無い分、組み立てが簡単だが、無線アンテナが林立しており、うんちくを傾けるには面白いかもしれない。



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