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誌上個展

人力車 (童友社 1/10)

by 田口 博通



 童友社はバラエティ・プラモデルのラインアップが充実していて有名ですが、その中には旧日東の屋形船や人力車も童友社が継承して発売されています。
 人力車と屋形船は1960年代に日東から明治100年記念シリーズとして発売されていたもので、当時はバラエティものとは呼ばず、スケールもののジャンルに入っていたような記憶があります。
 そのため、おもちゃではなく、きちんと各部のディテールが再現されていて、貴重なプラモデルではないかと思います。模型店ではガンダムのような売れ筋商品を中心にした品ぞろえになってしまった結果、店頭でみかけることは少なくなりましたが、童友社のサイトで確認できるようにしっかり現役製品です。これからも継続して 発売をお願いしたいものです。






 部品点数は少なく、組み立てはごく簡単です。
 下がその全部品。金メッキのスポークが映えますね。
 塗装の必要はないのですが、ここでは座席を赤で、車体をつやありの黒で再塗装してみました。
 接着強度の必要な部分は接着部のメッキをカッターナイフで地道に剥がして、タミヤの流し込み接着剤で接着します。
 完成すると、金メッキのスポークが華があり、豪華な雰囲気で、飾り物としてはうってつけでしょう。


工作ガイド 「人力車の製作」

 21世紀のこの世の中で、人力車プラモデルは別に絶版でもないのですが、その製作記事など 商業誌では 今後もまず、掲載される可能性は絶無でしょう。
 というわけで、簡単な工作ガイドを書かせていただくことにしました。
 決して、レトロ趣味という訳でなく、多様なプラモデルを楽しんで作りたい!という趣旨です。
ぜひ 皆様も気軽にお楽しみ下さい。

 説明書ですが、おそらく50年前に書かれたものと基本的に変わっていないと思いますが、部品図もあり、初心者にも大変 わかりやすいもので感心します。

 読んでみると、簡単ですが、ポイントをしっかり記述してあり、こういった説明書は大歓迎です。


 
(1) スポークと車輪の組み立て
 まず、金メッキのスポークと車輪を組み立てます。
接着部のメッキをカッターナイフを立てて剥がし、流し込み接着剤で接着すれば出来上がりです。
スポークは箱絵を参考に互い違いになるように配置します。落ち着いてからタイヤと組み合わせます。


(2)車体の組み立て
 車体は 底面と側面を組み合わせ、座席を接着することでしっかりとした形になります。流し込み接着剤が使いよいでしょう。
 ひじかけは 説明書の通り、座席の前に接着しておいた方がよいです。
 説明書の順番では天蓋を先につけるようになっていますが、それは後回しにして、 車夫の引き棒、と 車輪のクッションバネを先に接着します。クッションバネの接着時には 車輪シャフトを通して、シャフトが平行になるように位置決めをすると良いでしょう。
 


(3)天蓋
 天蓋フードは実物では、布かビニール布製でしょう。 プラスチック成形では端面が厚く、実感がそがれるので、端面をカッターナイフで薄く削ると良いと思います。
 
 塗装する方は
 車体を黒艶ありで、天蓋フードはつやけし黒で、また 座席は白かピンクで下塗りをしてから、赤で塗装すると良いでしょう。
 筆者は いずれも GCIクレオスのMrカラー (ラッカー系)を使い、細い筆で、塗りました。

塗装後、天蓋フードを車体に接着すれば、完成です。

塗装済みの各部品

完成

 完成まで ほぼ 半日、楽しいひとときでした。
こういったものも丁寧に作ると、華があり、コレクション棚が 賑やかになります。
プレゼントにも良いかもしれませんね。 





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