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誌上個展

モノグラム・キットの思い出~

by  親父モデラーNOBU

 私が初めて購入したモノグラムのキットは1/48スケールのF4U-4コルセアでした。
小・中学生の頃に自転車で通っていた大阪十三にあった「火星模型店」のウインドウに飾ってあった
機体下面だけを明るいグレーで塗装された上面ブルー(成型色)のコルセア。

当時はまだバンダイがモノグラムと提携する前だったのでグンゼレベルの1/32のコルセアよりも価格が高かった。

 「火星模型店」では自分でキットを引っ張り出して箱のフタをあけて中身を見るなんてことは出来ず カウンターの向こうにいる眼光鋭い、少し怖い店主に「あのキットを見せてください」とお願いして 店主の背後にある棚からきっちりと仕舞われたキットを取り出してもらい、店主監視のもとでカウンターの上で中身を拝見するのである。
なかでも舶来品はガラス戸のケースに入っていて別格だった。
一度入店したら、何も買わずに帰ることは出来ない雰囲気で小・中学生には緊張する恐ろしい店だった。
それでも品揃えは凄かった(ラジコン・鉄道模型・モデルガンから怪しい発明品まで)ので、当時の私は、店主の威圧感にビビリながらもガラガラと引き戸をあけて店に入っていったものだ。

 で、そのコルセアもガラス戸のケースから出してもらい外箱だけを確認して (ヤシの木をバックに駐機した絵で、マテル・モノグラムのロゴマークの青箱だった。
そして舶来品は昔からシュリンクパックされていて中身は見ることができなかった)清水の舞台から飛び降りるくらいの覚悟で買って帰った。



 当時のモノグラムの組み立て説明書はモノクロ写真によるもので、組み立てる際の高揚感が国産キットとは違っていた。
もちろん英語など読めないので、解説なしで図画だけを頼りに組み立てた。
精密なモールドのエンジン、力強いプロペラ、折り畳める主翼、燃料タンクや爆弾、ロケット弾などフル装備!
さらに主脚や尾輪が本物通りに可動収納できた。
こうして上面ネービーブルー、下面ライトグレーで塗装してあのコルセアが手元に完成したのである。

その後、バンダイがモノグラムと提携するようになって、国産キット並の価格で どこの店でも買えるようになったのは1976年以降の話である。


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Vol.72 2014 August.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
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