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誌上個展

屋形船 (童友社 1/30)

by 田口 博通




 「のざきまいりはやかたぶねで~」と歌われた この屋形船のプラモデルの初出は今を去ること50年前の1960年代で 日東から人力車と同時期に発売されました。日東が倒産後、童友社から継承して発売されています。 スケールモデルとしても、きちんと各部のディテールが再現されていて、現在でも貴重なプラモデルと思います。  メーカーの童友社のサイトには
「時代をしのばせる情緒あふれる秀作モデル。最近では隅田川の名物ともなっています。障子戸開閉。飾り代付き。」と記載されていました。
 1/30で モデル全長は約40cmくらい、これで 今時1200円ですから、お買い得です。




工作ガイド 屋形船の製作

 部品点数は少なく、組み立てはごく簡単です。
 木目の部品は明るめの色の木肌に整形されていて、実感があります。そのままで、無塗装でも全く、大丈夫です。
 また、屋形船ですので、客室障子窓となっていますが、障子紙と舵、もやい綱に使用するタコ糸がきちんと付属しています。

 船体部品の一部 キットに付属している障子紙とタコ糸


 説明書は下のようなもので、発売当初とほとんど変わっていないと思われますが、部品図も付属していて親切です。



(1)障子窓の製作
 紙の接着剤には、先細ノズルの手工芸用のボンド(木工ボンド)が使いやすいです。最近、模型店でタミヤブランドで売っている手工芸用ボンドも同じものです。 接着は窓一枚づつでは工作しにくので、右のように大きな紙にまとめて窓枠をボンドで接着してしまい、乾燥後、まわりをカッターナイフで切り出します。こうすると 簡単に出来上がります。


(2)船体の製作
 説明書を見ながら 舵の部分から作って行きます。説明書だけでは、ちょっと立体的な形がつかみにくい部分ですので、写真を撮ってみました。
接着はタミヤの流し込み接着剤を使うと簡単です。部品を合わせておいて、接着剤付属の筆で部品の合わせ目に少量を流してゆきますと、プラ材が溶けて、溶着されます。

 舵部の部品です。端面のバリはカッターナイフでしっかりと削っておきましょう。 きちんと合わせて接着すれば、こんな姿になります。


 船体の床は数枚に分割されています。船体のガイドに合わせて、説明書の順番通りに接着していくことが最大のポイントです。ここも、流し込み接着剤が活躍します。

 船室も、下の説明書の順番通りに組み立てていけば、難しくありません。



 さて、下の写真は手すりと船室の屋根を取り付ける前の状態です。ここまで来たら 完成したようなもの。  無塗装で全く大丈夫ですが、塗装をする方はこの状態で行うのがやりやすいでしょう。
プラスチック用の塗料を使って下さい。
私はGCIクレオスのMrカラー(ラッカー系)の透明イエローに透明オレンジを混ぜて、ニスのような色を作り、細い筆で薄く塗装してみました。


完成

 夏の風物誌とも言える屋形船の完成です。
完成すると櫓を含んで全長40cmくらいになります。
 バラエティモデルには、戦闘機とか、AFV、軍艦などのスケールモデルにはない雰囲気を感じます。
 それは戦いや争いとは無縁なもの。なんか、心の中が暖かくなるような平和な安心感を感じます。誰かにこの気持ちをおすそ分け、そんな気分にさせる豊さがバラエティモデルの最大の魅力でしょうか。






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