Home > (Photo) レベル32といえば…ハリケーンMk.Ⅰ

誌上個展

(Photo) レベル32といえば…ハリケーンMk.Ⅰ

by  コルディッツ

 第二次世界大戦当時、私の亡父はビルマでハリケーンの銃撃を受けて、左足を負傷 しました。そのせいか私がプラモデルを作り出すと、「ハリケーンを作れ」と指示し、私が ハリケーンを作っていれば満足そうでした。なので私もいつの間にかスピットファイアより ハリケーンの方が好きというマイノリティになってしまった上、プラモデルもアリイやスイー トの144からエアフィックスの24まで、一通り収集していました。  レベル32のハリケーンMk.Ⅰも入手済みですが、今のところ手つかずです。さっき箱の中を覗いてみたら、部品点数の少なさに驚きました。でもさすがに32ですね、パーツを 見ていると、どんどん期待感がふくらみ、「開封して、試しに少し塗装して、少し組み立て ても大丈夫だから、さあ」という誘惑を抑えるのがたいへんでした。この誘惑に負けて、 中途半端に手を出して、中座しているキットが何十もあるのですから…


  さて実機のハリケーンは、イギリスが英連邦諸国や亡命政府軍に配ったので、英本土、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの航空博物館では、 ある意味メジャーなコレクションになっています。しかしひとつだけ異色なコレクションが あります。それはハリケーンMk.Ⅰを装備して枢軸側に加わったフィンランド空軍機で、 フィンランド中央部に位置するユバスクラ市郊外のテイッカコスキにある、フィンランド 中央航空博物館に展示されています。  
 1940年2月、フィンランドは前年からのソ連との「冬戦争」を継続中、敢闘するものの ソ連の物量攻勢と、海外からの軍事援助をソ連の同盟国ドイツによる妨害を受けて、息 も絶え絶えの状態でした。すでに勃発していた第二次世界大戦で、ポーランドを征服した ナチスドイツとマジノ線をはさんで睨みあうフランス・イギリスは、直接ドイツと戦闘するよ りも、間接的に同盟国のソ連を叩けばドイツに勝てると考えました。そこでフィンランドへ 支援を始めます。
 フランスはモラン・ソルニエMS406を、イギリスは12機のホーカー・ ハリケーンMk.Ⅰを送ります。12機は主翼が羽布張りのものと金属張りのものの混成で、 輸送中に1機(2機とする文献もあります)が墜落しています。「冬戦争」は3月に休戦した ので、フィンランド軍ハリケーンのデビューは1941年6月に始まった第二次対ソ戦ー 「継続戦争」になり、以降1944年9月の休戦まで少ない機数のハリケーンは活動しまし たが、フィンランド空軍の主力ではありませんでした。
 博物館に展示されたハリケーンは金属張り主翼のもので、戦場で整備中という設定の 下にあり、プロペラやエンジンカバーは外され、汚れた状態のままなので、格好の資料に なると思います。


フィンランド中央航空博物館(ティッカコスキ)にて 2013年11月撮影





























Home >(Photo) レベル32といえば…ハリケーンMk.Ⅰ

Vol.75  2014 November     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
                    editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー

「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

特集1


TOTAL PAGE