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プラモデルの製作

   F-14トムキャット (ハセガワ 1/48)

by 愛知県在住 作者 清水 栄治




■作品について
 この作品は2012年の秋頃のものですが、ある模型雑誌にダコ社発刊のF-14トムキャットが紹介されていてその内容を知ったのがきっかけでした。更に日本版が発売されることが紹介されており、即ネットで購入しました。その内容たるやコマーシャルの“見えすぎちゃってこまるの”風で全てもれなく見せていました。 モデラーにとってはよだれものです。本を買って次にハセガワのキット、それも定番のジョリー・ロジャーを購入しました。そしてこの作品は模型ショップのコンクールで準グランプリをもらったとても印象深い作品でした。




■キットについて
 ハセガワ製の1/48でF-14としてはナンバーワンの内容だと思います。当然ストレートに組み上げても素晴らしいキットです。難を言えば胴体前半と後半の継ぎ目にどうしても段差が生じてしまうことがあげられます。これはパテや瞬間接着材などで修正できる範囲で大きな問題ではありません。パネルラインは凹面仕上げで金型の側面にあたるところが浅く弱い感じです。ここは再度スジぼりを施せばOKです。デカールはこのキットの場合「カルトグラフ」製が付属しておりカラーの隠蔽力が強くキットを引き立たせてくれます。
リベットは実機にも目立つようなものはなく当然キットにもありません。これは現用機では必要ないと思います。
キットには兵器の付属が多少ありますが欲を言えばもう少し充実してほしいと思います。ましてやF-4ファントムと同じように再版だらけでドル箱的な感があり、そこは再版時にはおまけを望むところです。ひとつ残念なところは脚ホイルが強度を確保するためなのか金属製となっていましたが、それの出来が今一なところがあげられます。やはりプラ製で芯を金属製などで補強する等検討してほしかった。強度か?値段か?リアルティーか?メーカーさんは悩むところでしょうね。




■製作について
 さてキットの製作ですが今回は徹底的に改造を行いました。この時の資料は(本)は大変重宝しました。定価3900円は納得がいきます。例によって電子機器、バルカン砲はもちろん今回は更に胴体内部と翼内部を再現しました。電子機器は先回のサンダーボルトと同じ様にプラグコードを極細の伸ばしランナーを束ねた方法で表現しました。 胴体背面の配管やケーブル類も伸ばしランアナーやプラ棒で表現しました。翼付け根の作動部分は大変珍しく模型を飛び越え構造に感心をしながら作りこみました。本来は両翼作りたかったのですが取り付けの順番と塗装が複雑で又強度に問題があり片側にしました。




 写真には載っていませんが脚庫内の表現も徹底的に行いました。全て素材はプラ棒、プラ版を使用しています。細いパイプ類は銅線やエナメル線を使いがちですが私はあえてプラ材にこだわっています。それは細さが自由に選択できること接着取り付けと塗装に耐久性が保てることがあげられます。 ただし曲げ加工は大変苦労するところです。各パネルはキットを切り出して「やすり」やサンドペーパーで薄く削り出しましたがどうしても四隅が丸くなってしまいます。ここは全て0.3mmのプラ版で作り直しました。そしてピンバイス(0.4mm)でリベット穴を開けてあります。




 塗装は指定通りで全てラッカー系の塗料をエアブラシ吹きで仕上げました。乾燥後パネル筋ぼり部をエナメル塗料で塗装します。全体の発色を良くするためにデカールを貼る前に艶有クリアーを全面に2~3回吹きつけます。ここで大事なことは全体の艶を均一に整えることです。これがのちの見栄えに影響します。次はデカール貼りになりますが「カルトグラフ」は艶有クリアーに食い付きが良くシルバリングに問題はありませんでした。 当然デカール軟化材は酷使しての結果です。デカール貼りつけ乾燥後(4日以上)再度艶有クリアーを2回以上吹きつけします。(艶調整とシルバリング再確認)最終工程で艶消し塗装になりますが、半艶消しと艶消しクリアーの調合を1:1にしたものを通常より薄めで2~3回エアブラシします。これでキットは程好い艶消し状態で完成です。



 
■その他について
 飛行機を載せるベースを何にするかに迷いましたが資料に基づき空母デッキに決めました。ベースはホームセンターで売っている棚板を使いその上に0.5mmのプラ版を10cm角程度にカットしたものをエポキシ樹脂で接着取り付けしていきます。空母によくあるフック穴をドリルで開けそこに5角形になるように伸ばしランナーでフック棒を取り付けていきます。 空母デッキ表面は滑り止めが施してありますが、これを真似するためにタミヤ製のコンクリート表現塗料を使いました。その後ラッカー系の塗料でグレーの黒青みかかった色をエアブラシしました。台座ベースに飛行機だけでは空間が物足りなく、資料(本)に基づきミサイルなど通常兵器を配置しました。兵器を載せる台車も資料に基づきプラ材で作成しました。




■全体について
 製作は250時間程度かかったと思います。資料があれば再限度に重宝しますが、どこまでするか又どこまでできるかについていつも悩むところです。 私自身いつまでこのスタイルを貫くかが課題ですが年とともに“数作りからじっくり作り”そして最後は?まだ結論は出るところではありませんがひとつ言えることは“好きなものを人のやらないこと”をやりたい心は持ち続けたいと思っています。



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Vol.75 2014 November.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved / 
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