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プラモデル製作記事 温故知新シリーズ第7弾

フォッケウルフFw190A-5 (ニチモ1/65)

by ヒサマロ




 こんにちわヒサマロです。今年はフォッケウルフFw190がマイブームになりましたので今回の温故知新シリーズもニチモの1/65フォッケウルフFw190A-5を本年の締めくくりとして取り上げさせていただきます。このキットは世界傑作戦闘機シリーズの一つとして1962年11月に発売されたものです。なんと今から52年前のキットです。 プラモガイド1963年版にも「補助翼の形がちがうのが大ミスだが、その他はなかなかの上でき」と評されています。箱絵はなかなか良い感じです。



 写真をご覧の通り部品数は本体が22個とスタンド部品が7個の計29パーツで構成されています。表面は控えめな凸モールドで要所要所に繊細なリベットが打たれていて好感が持てます。 


 それでは製作に入りましょう。まずはお約束のコクピットからですが、ここはパイロット、座席、ヘッドレスト、計器フードが一体となった部品一個のみというきわめてシンプルです。しかもパイロットの顔はノッペラボウです。一瞬作り直そうかなという気持ちが頭をもたげましたが、いやいやこのキットの味を生かして作らなければと思い直し素直に塗装して胴体に取り付けます。後はブラックグレーを塗っておしまいです。可動部になっているラダーを挟んで胴体左右を接着し、水平尾翼を取り付けます。 次に主翼ですが、脚が可動式になっていますが、そのままだとフォッケの特長である斜めに傾いた脚柱にならないので伸ばしランナーで斜めの支柱を自作しちょうど良い角度になるように固定します。エルロンも可動式にしたためか本来は翼端まで伸びているはずですが途中で切れた形になっていますがそのままとしました。また上翼にフラップがあるような筋彫りがされていますが実際には下翼だけですのでパテで埋めました。外翼のMGFF砲のバルジは下面にしっかりとモールドされていますが内翼上面にあるMG151/20バルジがモールドされていません。けっこう複雑な形をしているのでここも省略しました。




エルロンを挟んで上下の翼を接着して胴体に取り付けると前側の上面に少し隙間が出来ますがランナーを適当な長さに切って胴体前半部下側につっかえ棒として入れ込むと改善されます。次にカウリングを取り付けるのですがカウリング前部にエンジンのシリンダーがモールドされており強制冷却ファンは無視されています。ここも暗い色を塗ってごまかしておきます。プロペラをつけて胴体と翼の接合部に接着します。少しの調整でぴたりと合います。この時代のキットとしては驚異的な合いの良さです。さすがニチモです。 おもしろいことにカウリング横の過給気空気取入ダクトのバルジ部分が別部品になっています。他のキットでは見られないことですね。キャノピーを接着し最後に、50年以上も前のキットなのに現代のこのクラスのキットでも部品化されていない引き込み式ステップを取り付けて組立終了です。そうそう同じくこのキットにはかなり太いですが脚位置指示棒までモールドされております。恐るべしニチモ!




 さて、塗装にかかりましょう。キット説明書にもちゃんと全体塗装図が載っていて上面ダークグリーンとオリーブグリーンにインクスポット部分は「にぶ緑」と表現されています。 にぶ緑?RLM02グレーのことでしょうか?ウーンなんともシブイ表現ですね。




当然キットのデカールは使用できませんのでイーグルストライクからカウリングが白黒ストライプの派手なJG1の機体にしてみました。 1/72用ですので当然誤差が出ますが足りないとこは手書きします。いつもの通りに筆塗りで仕上げ、少しのスミイレとパステルで汚しを入れて完成です。




 資料の少ない時代でしたから色々とミスはありますが出来上がった姿は実にフォッケの力強いフォルムを捉えていると思います。同時代のレベルやフロッグのフォッケと比較しても断然こちらの方が実機の特徴を捉えていると思います。 このキットを作っていて感じたことはニチモのスタッフにはどうせ子供の玩具だからとか、100円のキットなんだからとかいう発想が微塵も感じられないということです。それよりも飛行機の模型とはどうあるべきか とか とにかくキットへの愛情が溢れているのです。




 ニチモのキットが長いこと我々モデラーに愛されてきたのは基本的なフォルムをきちっと捉えていることとそのキットにスタッフの愛情が込められているのを自然と感じ取れるからではないでしょうか。 近年模型業界から身を引いてしまったのは大変残念ですが私たちは手元にあるニチモのキット作って、かつてのニチモがどれだけ模型に愛情を注いできたのかを再確認してみてはいかがでしょうか。さて、ニチモのフォッケウルフの完成品は今ではほとんどの方が目にすることはないと思いますのでどうぞごゆっくり観賞ください。それでは次回また。




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Vol.76 2014 December.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
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