エレールのキットで最初に作ったのは1/72のモラン・ソルニエMS406でした。「プラモ ガイド71」に掲載されたフランス空軍機の記事を読み耽りー今と異なり写真資料は少なく、
ましてカラ―写真などは考えられない時代だっただけに、故佐貫又男教授の実機紹介文 (後年「ヒコーキの心に収録)まであり、読応えがありましたー、エレールのMS406を作る
決意をしたものです。
日本語で説明書を読めるグンゼ・レベルからの卒業でしたので、正直不安でした。入手してビックリしたのは、機体表面のパネルラインやリベット表現の繊細さと、組み立てる時の各パーツの精度の悪さのギャップです。しかし何とか組立てて、グンゼカラーではフランス空軍機迷彩には不足と感じて、わざわざ購入したハンブロールのグリーンを主翼に落としたら、何やらフランスらしい感じがしてきて(笑)、満足したのを覚えています。
その後ハセガワからフィンランド空軍版が販売されたので、作ってみましたが、エレールよりもパーツの精度もデカールも良くなっていますが、主翼のプライマックス材(ジェラルミンと木の合板)の表現は、却って退化したようで、フランス機を作るなら、やはりフランスのメーカーと改めて思っている次第です。
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MS406の実機は未見です。昔々、パリ近郊のル・ブルジェ空港にある航空宇宙博物館でMS406を見た記憶がありますが、その時の写真は見つからず、当時はMS406とその発展型のD3801の区別を、私はしていませんでした。その後スイス空軍博物館等でD3801を拝観して、あの時パリで見たMS406は、実はD3801だったような気がしています。D3801はスイスでライセンス生産された機体ですが、MS406のエンジンをイスパノスイザ12Y31(810馬力)から、ザウラー/SLM12Y-S1(1,100馬力)に換装しているので、排気管の形が変化し、冷却器は固定に、尾橇が車輪に変更されています。そういえばエレールのMS406は冷却器を可動式にも出来る、愉しいものでした。
D3801は現在もフライアブルな機体があり、ダックスフォード・エアショーなどでフランス空軍機のコスチュームで活躍(ゴースト・ファイター?)しています。
今回はD3801からMS406を偲んでみたいと思いました。 |