カナダのホビークラフト社から、48スケールでP35やP36といった、既存のメーカーは 無視していたキットがリリースされ、店頭で見かけたときは狂喜しました。中でもP35は
スウェーデン空軍を再現するには欠かせない機体です。けれど輸入品で高額な上、キット の出来も分からず、財布と相談しているうちに買い逃しました。
その後アカデミーから再販になったので、迷わず購入したら、キットの「餡のない最中」 という感じに、「昔の美人」を見たような気分に… しかし最近、自分はお気軽な模型作り
を苦にしないタイプと気付き、私向きに思えて来ました(笑)
スウェーデン空軍博物館のP35は輸出型のEP-106で、同空軍の呼称ではJ9となります。改装前の博物館は、J9とRe2000(スウェーデン呼称J20)を、並べて展示するという粋な配慮をしていましたが、2014年時点では引き離されていて、残念でした。
スウェーデン空軍博物館の英文ガイドブックの拙訳は次の通りです。 |
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「凍りつく冬の道路でリンシェーピングに来た飛行機 スウェーデン空軍はヨーロッパで 戦争の兆しの見えた1930年代後半、現代的な戦闘機を必要としていた。アメリカ合衆国の120機のセバスキー/リパブリックEP航空機が発注された。最初の発注分はノルウェー
を経由して到着。ドイツ軍が1940年4月にノルウェーを占領すると、代わりにフィンランド のペトサモに船で運ばれた。木枠に入れられて、スウェーデン国境のハバランダまで700
kmをトラックで運ばれた後、さらにリンシェーピングまで運ばれ、その地で組立られた。
戦闘機には高速で、操縦しやすく、かなりの武装が望まれるが、J9はそれらの要望を十分満たしていた。その他に優位な点として、引き込式の着陸装置と良好な視界、整備士やカメラを置く事のできた、操縦席後方の余分なスペースがあった。この飛行機は氷上
や雪上から作戦できるようにスキーを付けることも出来た。戦後一部の機体は偵察機として使用され、S9と呼称された。
博物館のJ9は、1940年にBarkarbyの第8航空隊に配属され、1948年にマルメンの第3航空隊に移り、1949年に退役したものである。」
※EP=Export Pursuit 輸出追撃機の略です。
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