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プラモデル製作記事

F4U-1D コルセア (ハセガワ 1/72)

  by 加藤 寛之




 以前にハセガワが販売していた、キャノピー塗装済みキット。組んで分かったのだが、組み図に「工作のコツ」という欄があり、図も大きめに刷ってある。キャノピー塗装済みの割には1997年で700円であり、通常キットと価格に大差がなかったように記憶する。箱は大きめでしかもキット完成写真だから、初心者向き製品なのだろう。だが、そういう製品はだれにとっても作りやすい。私も気楽に作ってみた(←いつもそうだ)。
 箱を開けると、成形は紺色だった。コルセアとかヘルキャットの類は紺色だとプラモデルって感じがしていい。せっかくだから、全体色の紺色はプラそのままで作ることにする。
キットの成形色を使うという手法は、本Web誌で紹介している『プラモ・ガイド』の時代にはちゃんと存在していた。
そのころ子供だった私は「色を塗らないなんて、プラモデルの作り方としてヘンだ」と思っていたが、それから50年たつとすっかり考えが変わり、「それはいい方法だ」と思えるようになった。色を塗らない面白さが分かったからだともいえる。今回は成形色が濃いので、接着不良が見つけやすいから、かねて流し込みタイプの接着状態を確かめたいと思っていたので、これで組んでみた。





 最初に主翼から組んでみる。このキットは翼端と後縁が上面側で一体成型してあり、それなりに薄くできていて立派。接着面を均して上下を合わせてみると、ちゃんと押さえて接着すればなんとかなりそうで、翼端側は内面をちょっと削れば済みそうだ。塗装しないということはパテを使わないということなので、隙間が開かないように丁寧に擦りあわせ、流し込みタイプで組み付ける。 乾燥後に削ってみると接着面が部分的に白濁していた。ビンのタイプと流し込みタイプを併用したときよりも接着の程度がよくないようだ。胴体も同様で、併用時よりも白線が見えやすい。仕方がないので、成形色に似た色を混ぜて作り、酷いところにだけ細く塗ってゴマカすことにした。「それじゃあ、塗装しているじゃないか」となるが、自分のプラモデルだから、こだわることもない。きれいな方がいいし、そのゴマカシも技のうちだ。




 胴体と主翼はいい感じでつく。やはり主翼を正確に組んだだけのことはある。日ごろのイイカゲンな作り方をちょっと反省した。水平尾翼も、実に見事についた。このキット、なかなかいい。
 エンジンとカウリング周り、胴体との合いは、ちょっと削り合わせの調整が必要だった。なんとか、胴体上面とカウリングの間に隙間が生じないようにした。
 キャノピーは塗装済みで、それだから作り始めたのだけれども、バリやゲート処理をしていたらやはり塗装が必要になった。
そうはいっても重ね塗りでよいのだからテキト~に塗っておいた。胴体との合いは旧いキットながら充分に合格だった。
 主脚は適度に省略して単純化してある。私はこれでよく、楽なキットでいいと思う。尾輪は最後にペッと接着する構造で、これも楽でいい。コルセアは実機にこだわりすぎると足周りがゴチャゴチャしてしまうのだが、このキットはプラモデルとしての割り切りが上手いと思う。




 アンテナ柱は、後胴のものは胴体と一体、前方はただ立てる設計だ。胴体はせっかく付いているのでそのままで作っていたのだが、最後になって折ってしまった。仕方がないのでランナーを熱で伸ばして代替した。アンテナ柱は塗装しないと透けてしまうので、ここは紺色を塗っておいた。
 塗装は全体がほぼ無塗装のキット成形色、細部は水性塗料を使っている。翼端灯は実機が透明ガラスに色電球のようなので、一瞬だけ透明に見えるように塗っておいた。
カウリングの白チェックは、カウリング本体とカウルフラップが別デカールなので、よく見るとズレている。こういう時に「ズレているじゃないか!」とメーカーに指摘するのは大人でない。プラモデルは大衆商品であり、それをどの程度で楽しむのかは各自で違ってよいのである。
 最後にトップコート半光沢をぷ~~とふいて完成とした。これをすると、どう見ても紺色を塗っていないとは思えなくなる。ちょっとした遊び心だ。




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