さて、冒頭に「全体の形が丸すぎて」と書いたので、少しだけそれについて書くことにする。たとえば、文林堂『世界の傑作機 グラマンF6Fヘルキャット』№71(1998年)の46ページを見てほしい。風防の前は細く絞ってある。前方斜め下の視界が良さそうで、艦上機として望ましい形である。垂直尾翼を見ると前縁は薄く、直前の胴体の白塗り部分を見ると、ここも薄いことが分かる。72ページ中央写真では、背部の細さや風防の断面形も分かる。胴体の国籍マークの白が平らな板に描いたように見えることで、そのあたりに丸みがないこともわかる。 |
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ヘルキャットは全体の姿は鈍重なイメージだとしても、ダルい形ではないのだ。巻末の3面図を見てもらえれば分かるが、これらは図面では読み取りにくい。「3面図のようにできてはいても」とは、こんなことなのだ。
ではダメだから作らないのかといえば、そういうものでもない。“何か、違うよなぁ”と思いながら作れば、それでいいじゃないか。実機は実機、プラモデルはプラモデルだ。プラモデルは作ることで始まるもの、バシバシ作って楽しみましょうよ。 |