バラエティ… これも頭を悩ませるテーマです。そこで辞書を引いてみたら「多様性」と出てきました。ならば「コルディッツ」を紹介をさせて頂く良い機会と思えて来ました。
高校1年生の時、土曜日深夜の日本テレビで、BBC制作の「コルディッツ大脱走」の放映が始まりました。私の記憶では、オープニングの日本語解説は次のようでした。
「コルディッツ、第二次世界大戦当時、連合軍将兵にとってその名は知る由もなかった。
コルディッツの街から自由の国スイスまで、600キロ以上の苦難の道が横たわっていた。
その郊外にそびえたつ古城、ナチスはここを脱走不可能な特別捕虜収容所に改造した。
そして連合国軍の脱走常習者たちが、この地獄の要塞に送り込まれた。しかし彼らには諦めという文字はない。これは不可能に挑んだ挫折を知らない男たちの物語である」
という、たいへん格調高いもので(笑)、以後すっかりはまりました。
コルディッツについては、数多くの逸話や神話が流布されています。中でも有名なのは脱走用グライダーを完成させたという話です。 |
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TV版は基本的には原作(元捕虜の手記)に依拠しながら、オリジナル・ストーリーで進みましたが、脱走常習者の英空軍パイロットの英雄(モデルはたぶんダグラス・バーター、演ずるはジェレミー・ケンプ)が登場して、グライダーの製作を始めます。
実物のグライダーは終戦と共に行方不明になりましたが、そのレプリカが元収容所の博物館と帝国戦争博物館、ドイツ空軍博物館に展示されていましたので、ご紹介させていただきます。各部に少しずつ違いがあるのが、コルディッツらしいかと。
機体構造は木製、羽布はシーツと、捕虜の入手できる材料を活かしています。
コルディッツには、以前はドイツ国鉄の駅がありましたが、廃線になっています。公共交通機関利用では、ドレスデン~ライプチヒ間の地方鉄道の途中駅 グロースボーテンGroBbothenからバスになります。
実際のコルディッツ城はシュロスで、TVの解説と違い街中にありました。マルクト広場から徒歩5分くらいだったような。元は精神病院だったものが、戦争で捕虜収容所となり 戦後の東ドイツでは精神病院に戻り、現在は「特別捕虜収容所博物館」になっています。
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