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特集  ソビエトAFV

(Photo) 歩兵戦闘車 BMP-1/BMP-2

by  コルディッツ
博物館写真

 装甲兵員輸送車に代わる、積極的に戦闘に参加しながら、輸送される兵員も乗車したまま戦闘を行える「歩兵戦闘車」の分類枠を創り出したのが、ソ連のBMP-1と言われています。
 1967年11月7日のモスクワ、赤の広場での革命記念パレードでデビューしたBMP-1は、その想定される優秀さから、NATO諸国に相当な衝撃を与えました。
 歩兵1個分隊(8名)を車体後部の兵員室に収め、戦場までの輸送はもちろん、車体側面に4ヵ所ずつと後部ハッチに1ヶ所銃眼を設置することで、歩兵は乗車したまま、携行火器による発砲が可能です。さらに上部ハッチと後部ハッチから下車しての戦闘。そして車体上部には、円錐形の一人用砲塔を設置し、歩兵の戦闘を支援する73mm低圧滑空砲と同軸に7.62mm機関銃を装備したばかりか、砲塔の外部に対戦車ミサイル9M14 マリョートカの発射レールを装備するという重武装でした。

 それで(?)当時のパソコン・ウォーゲームのBMP-1は、主力戦車より安く量産出来て、搭載歩兵を使っての都市占領も可能な上、対戦車ミサイルAT-3サガ―(NATO名称)で西側戦車を蹴散らしてくれる、実にコスト・パフォーマンスの高い兵器になっていました(笑)。
 けれどもアフガニスタンの戦場では、多くの欠点が露見しました。73mm低圧滑空砲から発砲された砲弾は、風に流され命中率悪く、上部ハッチから下車する歩兵は狙撃の的となり、副燃料タンクを兼ねている後部ハッチは、被弾すると簡単に炎上する物騒なものでした。
 そのような欠点はあっても、しかしBMP-1が「歩兵戦闘車」のコンセプトを確立し、インスパイアされた登場した西ドイツのマルダ―やアメリカのブラッドレ―等の歩兵戦闘車開発に、大きな影響を与えたことは否定できません。
 BMP-1も、砲塔の大型化して砲手手と車長の2名配置にし、武装を30mm機関砲に換装して、戦闘能力を向上したBMP-2へと進化していきます。
 デビューして半世紀にならんとする現在においても、世界中で使用されているBMP-1は、傑作AFVの殿堂入りを認められたと思います。


BMP-1
 ドイツ戦車博物館(ムンスター)にて  2013年12月撮影








パロラ戦車博物館(フィンランド)にて  2003年8月撮影



スウェーデン戦車博物館(アーセナル)にて  2014年6月撮影



上部ハッチ、後部ハッチを開いた状態での展示でした。





兵員室はかなり狭く、居住性に難ありと言われたのも当然かと。





BMP-2
 ドイツ戦車博物館(ムンスター)にて  2013年12月撮影





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