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飛行機プラモデルの製作

F84 サンダージェット (エレール 1/72)

  by 加藤 寛之

 個人的にはあまり馴染みがないエレール製品から、今回はサンダージェットを作ってみた。かなり古いキットで、F84もいまさらエレールでもないのだけれども、作るつもりで買ったものなので作るわけだ。この時代のエレールは拙いところもあるけれども、丁寧に造ろう、工夫してみよう、再現できないところは表現しよう、という意欲が形になって見えるところに特徴がある。 金型が意欲に追いつかないことも多いので、作りやすいとはいえないところもあるが、いかにもプラモデルという印象が好ましい。表面彫刻は凸線で、塗装ラインも凸線で示してあることが、キットの造られた時代を感じさせる。




 胴体を組むにあたって、機首に前脚収納庫と吸気口を造形したパーツを組み込む。錘はこれを避けて入れるが、特に困難はない。コックピットは計器盤と操縦悍、椅子とちょっとしたデコボコがある床板という基本的構成で、意外なほどうまく組み込める。これに上面背部の造形物と照準器が風防内部に付く。 私はコックピットに興味がないので、この簡単さはありがたい。胴体左右の接着は、機首部分で押さえすぎによる段差を作ってしまったが、合い全体は悪くない。胴体下面のエアブレーキは2種あり、塗装にあわせて選ぶ。




 主翼と水平(でないが)尾翼は、共に後縁にふらつきがあるので、これを真っ直ぐに整形。翼端タンク上面は主翼上面と一体成型なので、ここはスッキリしている。脚収納庫は内側のフチに壁をたてて穴をふさいでいる。 こんな、ちょっとした工夫が冴える。胴体との合いに目立つ隙間は生じない。水平尾翼も、ちょっとした合わせ目整形で、それなりの接合ができる。




 面白いのは主脚とそのカバーで、これが一体成型でなかなか良い感じ。贅沢を言えば、側面から見たときの傾斜角度を示した図が欲しかった。 調べる気持ちはないので、テキトウにやる。脚カバー類も取り付けの接着方法と場所がよく分らない。これもテキトウにやる。




 そんなこんなで、塗装になる。全体を銀色で塗装する。「銀色」は来年5月開催予定のSLB展示会のテーマにも合致しているので、都合がよい。銀色の塗装だが、最初にノッペリと塗ったら全くおもしろくない、そこでシャインシルバーを薄く塗り重ね、さらにそれを部分的に置くように塗り重ね、強制的に変化をつけてみた。「実機のパネルは・・・」といった視点はまったく考慮しない塗り方だが、模型的によければOKとした。 胴体上面の緑や後胴に巻いた赤線には「ここを塗ります」のモ-ルドが入っていて、これは便利。チョチョイと塗る。翼端タンク側面の山形マークはデカールにあるものの、ちょっと使いにくそうなので、描くことで代替した。山の形が多少歪んでも、そんなこと誰も気にしないし、自分も全く気にならない。そんな雰囲気になればよいのである。



 デカールは蛇の目に色ずれがあり、発色も冴えない。色ずれは、それが軸線に対して左右同じように貼れば、まあまあOKである。冴えない発色はこの時代のエレールだからガマンする。 フィルムも黄変しているが、これはそれなりの時間が経過したからなので仕方がない。・・・でも、よく貼れる。本当によく貼れる。


 完成である。やや古めかしいジェット機が、何とか完成した。なんだ、結構イイ感じだ。
注:・・・と、思って、エレールのF6Fを作り始めたのだが、これはイケナイ。では、お楽しみは次号で(完成すると思うけど・・・)。


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