P-3の後継機開発計画は、1980年代から始められたのですが、その実現までには紆余曲折があり、P-7、MMA(Maritime Multi-mission
Aircraft)とプログラム名を変えての模索が続き、2004年6月14日、やっと737を改造したボーイング案(737MMA)が米海軍の次世代海洋哨戒機に採用されました。そして同年3月にP-8Aの呼称が与えられ、7月8日に5機のP-8Aの試作契約がボーイング社との間で交わされました。5機のうちの3機は耐空性能試験用、静荷重試験用、疲労試験用の機体で、残る2機がミッションシステムの試験機体でした。数々の設計審査も終わり、ボーイングが5機の製造に移行したのは2007年の12月です。そして、2009年4月、飛行試験用1号機T1が初飛行に成功しました。
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その後の機体も完成し、試験に供せられ、2011年1月、米海軍は初期低率量産(ILRP)機6機を発注、同年7月には量産初号機が初飛行に成功しています。ボーイングは2012年3月に米海軍へ量産機の引き渡しを開始、2013年1月までに6機を、2014年7月までには14機を、そして2015年1月にはトータルで21機のP-8Aを納入しています。P-8Aを最初に受領した実戦飛行隊は、フロリダ州NAS Jacksonvilleをホームベースとする第16哨戒飛行隊(VP-16) “War Eagles”で、同隊は2013年11月29日に初期作戦能力(IOC)を取得すると、すぐさま沖縄県の嘉手納基地へと派遣されました。 |