ジーベルSi-204に気づいたのは、小学生の頃に夢中だった「第2次大戦戦闘機および攻撃機・練習機」(ケネス・マンソン著 湯浅謙三訳 野沢正監修 鶴書房)という、80機の軍用機のカラー塗装図面を収めた英国のポケット事典の翻訳本からです。図面は英軍に捕獲されたレーダー装備のSi-204D-1が、英空軍標識をまとうインターナショナルなモノでした。
実機はレーダーや航法の訓練機、又は連絡機や輸送機として独空軍に運用されましたが、生産のほとんどはフランスとチェコという国際的な機体です。
戦後、チェコスロバキア(当時)はSi-204Dの生産を継続し、アエロC-3として同国空軍の練習機に採用しました。KP社のキットは、この時のモノです。
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C-3Aの実機がチェコ空軍博物館に展示されていますが、今回の特集に合わせてリサーチしたら、機体は純正のC-3Aではなく、フランスのSNCAC社製のNC-702マルティネの胴体部分を利用し、再生された機体のようでした。
NC-702も、戦後フランスで生産されたSi-204の発展型ですが、後半の写真のように段付き機首になっています。
ドイツの設計でチェコスロバキアが製造した機体を再生するのに、姉妹関係のフランス製造の胴体を利用した、真にインターナショナルな飛行機です。 |