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飛行機プラモデルの製作

 Mig-15UTI (ホビーボス 1/72)

  by 加藤 寛之




 私がホビーボス製品を作るときは、「今月、もう1機」と思うときで、そのスナップキット的なところが手軽で好きなのだ。ところがこのキットは、接着剤を使わないと組めないパーツがいくつかある。 お手軽という特色から、やや逸脱しつつある。でも普通のプラモデルよりはずっと手軽だから、それでもいいや、である。




 コックピットは、床・左右・背面が一体で、それに計器盤と椅子2コをのせるという、僅か全4パーツ。抜けている前方は、吸気を左右に分ける三角形パーツを付ける。単純だが、パーツの合いもよく、感じがいい。下面には2つの窓があって透明部品を内側から接着するのだが、これって塗装後にググッと押し込める構造にすれば組みやすかったのに、残念。 それよりも問題は錘で、肉厚の胴体パーツは後ろが重いし、前はコックピットが邪魔して空間が少ない。ここは板状の鉛を折って隙間にいれ、なんとか充分な量にした。




 上下分割の胴体は、左右一体の主翼パーツを挟んで接着する。合わせ目は、軽く削れば概ねOKで、ほんのちょっとだけ合わせ目にパテを擦る程度で整形できる。通常のプラモデルよりも甘いけれども、私はべつに気にならない。先端のリング状パーツも、この段階で接着する。
尾部の排気パイプは、あとから押し込むように加工し、水平尾翼は垂直尾翼側の接着面を軽く削って隙間をつくらないようにする。風防は前後に長いのでしっかり押さえないと隙間が出やすい。ここはマスキングテープで押さえて固めればよい。
 エアブレーキは、開状態にしてみた。閉じると隙間処理が必用そうだから。そうはいっても開けば取り付け部分が曖昧なのだが、テキト~な位置に接着。強度に不安がある構造だが、まあ仕方がない。押し込めばよい構造にすれば良かったのに。燃料タンクはスリッパ型も選べるけれども、私の好みで吊り下げタイプにする。脚柱や脚カバーはしっかり付けられ、気持ちがよい。精密感よりも、脚周りは簡単・丈夫が優先だ、と私は思っている。




 塗装は、ソ連とイラクの2種から選べた。前者は上側面が3色迷彩、後者は2色迷彩。塗装嫌いの私は、当然のように1色少ない後者にする。濃い色はカーキ色とし、これを上側面全体に塗る。明るい色はタンで良いことにして、カーキの上に塗る。キット指定の明るい色はダークイエローと承知のうえで手元にあったタンでよい事にしたのだが、ちょっと塗装図と色の感じが違う。 いや、大いに違う。まあ、いいや。タンは、あまり塗りこまない。カーキ色がムラに透けて見える程度でやめると全体が単調にならず、ちょっとイイ感じである(と、思う)。風防ワクはお手軽に下塗りナシで塗ったので、内側の向こう側に外部色が見えるが気にしない。あとはちょこちょこっと塗り、デカールを貼って、終了だ。




 出来てみれば、だれがどう見てもMig-15UTI、細かいことも、大きな事も、気にならない。複座練習機タイプは選べる製品が少ないし、あるだけで幸せ。よかった、良かった、楽しかった、で完成すれば、それで良いのである。  ホビーボスが続々と製品化したWW2戦闘機は、正確・精密にこだわらない製品だったが、日本のマニアには好まれなかったと思う。それは多色成形&簡単のマッチボックスの時と同じだ。だが、私たちは手軽に出来るプラモデルを、本当に求めていないのだろうか。ささっと出来るプラモデルは、楽しい。本当に楽しい。Mig-15UTIのキットは、ちょっと迷いがあるけれども、もちろん許しちゃうのだ。


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