デ・ハビランド・ベノムはヴァンパイアの発展型で、ゴブリン・エンジンを強力なゴースト・エンジンに換装、それに合わせて機体の大型化、近代化を行っています。しかしイギリス空軍に採用された機数は少なく、前代のヴァンパイアとは比べ物になりません。販路は海外にあり、スイスは単座型を戦闘爆撃機としてライセンス生産し、1983年まで使用しました。
1950年にデ・ハビランド社は自己資金で、胴体幅を広げて操縦席をサイド・バイ・サイドの複座にし、機首にレーダーを備えた夜間戦闘機N.F.2を開発しました。 |
|
当時のスウェーデンは、夜間戦闘機を必要としていましたが、全天候型戦闘機になるJ32Bは試作機も飛んでいません。そこでベノムN.F.2のスウェーデン向けのN.F.51を輸入し、J33と呼称して配置しました。
他方イギリス海軍では、N.F.2を基に主翼折り畳み機構と着艦フックを装備した全天候型戦闘機FAW.20と、さらにレーダーを更新し射出座席を取り付けたF.A.W.21を開発させて、採用しました。オーストラリア海軍航空隊もこれに倣い、F.A.W.21のオーストラリア向けF.A.W.53を運用しています。
|