Home  > (Photo) フェアチャイルド PT-19/PT-26

特集 複座練習機

(Photo) フェアチャイルド PT-19/PT-26

by  コルディッツ
博物館写真

 フェアチャイルド社設計の試作機M-62は、複葉の初歩練習機ボーイング・ステアマンPT-13ケイデットの後継機として、1939年5月15日に初飛行しました。
 米陸軍航空隊がPT-19と登録して270機を発注したのを合図に、米国以外にカナダとブラジルでも大量生産され、総生産数は8,130機とされています。
 PT-19はレンジャーL-440-3空冷エンジン(200HP)を搭載していますが、一見液冷エンジンに見えます。カナダ空軍へのレンドリース用に生産された機体はPT-26と別番号が付与され、レンジャーの供給不足から、空冷星型エンジンを装備機した機体はPT-23となりました。
 
 PT-19で有名なのは、カナダのトロント・アイランド空港(現在のトロント・シティ空港)に配備された亡命ノルウェー航空部隊の練習機だと思います。

 アイランド空港使用契約が政府間で締結したのが1940年6月。練習機確保が急務になったワシントン駐在ノルウェー空軍武官Motzfeldt大尉は、近くのフェアチャイルド工場に赴き、PT-19で20分間のテスト飛行後、即座に6機を 購入します。この機体がトロントに届いたのが同年8月23日で、直ちに訓練に投入された、とノルウェー空軍博物館ガイドブックにありました。
 以後アイランド空港は、亡命ノルウェー航空部隊を支えるバックホーンとなり、「リトルノルウェー」と呼ばれるようになります。
 白夜やオーロラ、森と湖とフィヨルドの北欧を、青と黄色のPT-19が舞うのは、悪くないと思います。もっとも飛行したのはカナダ、青に黄十字はスウェーデン国旗ではありますが…


フェアチャイルド M-62A/PT-19  205  キャノピー付き
 ノルウェー空軍博物館(ガーデモエン)にて   2012年8月撮影











   フェアチャイルド M-62A/PT-19  103 開放式コクピット
 ノルウェー空軍博物館(ガーデモエン)にて   2012年8月撮影
 同機は1940年8月に亡命ノルウェー空軍が最初に受け取った機体の一つで、103の機番が振られました。1941年になってキャノピーが設置され、1946年にL-ABとなりました。その後1940年の姿にレストアされて、展示されています。








       フェアチャイルド PT-19  163/DM-L
 ノルウェー空軍博物館(ボード)にて   2002年7月撮影
 機首に「スピリット・オブ・リトルノルウェー」の黄文字。
 上の写真にもある熊は、ノルウェー部隊のペットかもしれないと思い調べてみましたが、見つけたのは亡命ポーランド陸軍部隊のペットでした…



   フェアチャイルド PT-26B  CF-CVE/163  2006年4月撮影
 カナダ軍用機歴史遺産博物館(マウントホープ、ハミルトン市郊外)にて
 PT-26は、PT-19と同型で、カナダ空軍向けレンドリース用の機体ですが、 ノルウェーに供給されたのか、ノルウェー空軍マーキングで展示中でした。




        フェアチャイルド PT-26  179
 デンマーク技術博物館(ヘルシンガー)にて    2008年12月撮影
 やはりノルウェー空軍のマーキング。機首の黄文字は読み取れませんが、
機体購入に際しての献金者(ドナー)の人名ではと、弱く推理します。




Home >(Photo) フェアチャイルド PT-19/PT-26
Vol.95 2016 July.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
         editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作特集1

TOTAL PAGE