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誌上個展

<日本航空史> T-2 「比較模型論」

  by 加藤 寛之
プラモデル コラム

 戦前の飛行機が続いたので、今回はT-2にした。写真は譲っていただいたもので、原型3号機だと思う。原型1号機の初飛行は1971年だというから、45年ほど前のことだ。私も若かった(子供だった)ので、雑誌に完成予想図が出た段階で「なんだ、ジャガーそっくりだ」と思ったものだ。皆、思うことは同じようで、航空情報別冊『日本航空機ガイド Vol.2 自衛隊機』(昭和48年刊)に鳥飼氏が寄せた解説に何回も「ジャガー」という文字があって、その相違点を述べている。 T-2設計室主査であった鳥飼氏は『プラモ・ガイド』のライターを務めたこともあったから、プラモデル的視点に過ぎない「似ている」が他の方よりも気になる言葉だったのかも知れない。ところが、私は複座のジャガーにT-2塗装をしてみたことがあるのだが、全然似ていない、どう見てもT-2には見えない。プラモデル的視点では、ホントウは似ていないのだ。プラモデルだからこそ、こんな「比較模型論」が簡単にできるわけで、なにもマジメに作るだけがプラモデルじゃない。




 私はこの飛行機について上述のほかに書くことがない。おそらく子供のときに、T-2がジャガー似のように見えた段階で興味が失せており、さらにジャガーがTSR-2の醜い縮小版に思えた飛行機だったことも悪く影響していると思う。最近は気持ちが落ち着いてきて、T-2が日本的な線で描かれた飛行機のように見えてきたし、似ている・似ていないも、プラモデル的でない視点で見られるようになった。
最近では鳥飼氏が『F-4J,SファントムⅡ』(「世界の傑作機」№173、平成28年)にファントムⅡの主翼上反角を水平尾翼のありかたから「比較技術論」として解説されているが、それがそのままT-2の説明でもあることが分る。「なぜ」似ているのか・似ていないのか、それが書いてある。

 興味がないとか言いながら、私だってフジミの1/50キットをどこかに持っている。「そのうちに作ってみようかナぁ(でも、作らないナぁ・・・)」と思っている今日である。


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