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飛行機プラモデルの製作

 零戦52型 (ニチモ 1/70)

  by  松戸のタカ




 初めて投稿させていただきます。小生「松戸のタカ」と申します。中学生のころまでプラモ作りを楽しんでいましたが、その後次第と疎遠になっていましたが2年ほど前にふとしたきっかけから約40年ぶりに再びプラモ作りを始めた者です。まだまだ技術的には初心者レベルですが、旧日本機、それも1/72スケールを中心に楽しんでおります。  さて、初の投稿モデルは「ニチモ」の1/70零戦五二型です。いにしえのモデルで初版は1961年(昭和36年)というプラモ黎明期のものです。ネットオークションで入手しましたが、どうも人気のない機種らしく安価で入手することが出来ました(その理由は組み立ててみると分かりました)


敵を撃墜後の勇ましい姿の絵です


 まず箱ですが、これは第3版以降のものらしいです。箱の四隅は現在の製品とは異なりホッチキスで止められているのがいかにも昔の模型らしいです。箱の裏には1974/12/12とかき込まれています。おそらくかつての所有者が記入したものと思われます。と、いうことは少なくとも42年以上前の製品と思われます。 箱を開けるとバリだらけのパーツが出てきます。みてみると、おお!なんということでしょうか!両翼の後縁までプラスチックが回っておらず、あたかもコウモリの羽のようになっています。現代ならば返品ものですね。


        これが全てのパーツです

  
    なにこの翼端後縁のデキソコナイは??

    


 ざっとみてみるとカウリングについている排気管の数が実際と異なります。また、エルロンタブなんて当たり前のようにありませんし、翼端灯はモールドもされていません。でもまあこの時代はそれが当たり前なんだろうとあまり気にしません。気にしていたらやっていられません。

リベット表現はゴツゴツとした凸リベットで空気抵抗が大きそうです。脚カバーなどは分厚く1mmほどあります。実寸に直すと70mmになるのでどんなタマも跳ね返すことが出来そうです。機体そのものも全体的にゴツゴツしており、重戦闘機のような雰囲気です

パーツを見てみると搭乗員はミイラのようにやせ細っております。同社の数年後に発売された零戦二一型の搭乗員が丸々太っているのに対照的です。コクピットの表現もいい加減ですが、どうせ透明度の悪いキャノピーに隠れてしまうので塗装でごまかすことにしました。
 コクピット&搭乗員です。ピントがあっていないのではありません。バリがひどいのです。ちなみに右側が機首側になります。


 何やらピトー管のようなものが四本ついています。これは?と思って説明書きをみると、ピトー管、アンテナ柱、20mm機銃とのこと。これはあんまりだなあとあきれるやら感心するやら。しかも翼にはそれらの取り付けるための穴も開いておりません。ついでながら増槽タンクも取り付け位置のガイドなぞありません。


 この4本の円柱形のパーツがアンテナ、ピトー管、20mm機銃だそうです
 極めつけはキャノピーです。造形がテキトーすぎるのも困りますが、窓枠が多かったりします。テキトーに線を引いたような窓枠で修正の仕様が有りません


 高さが足りないし、窓枠が多すぎたりいい加減だったりで困ったちゃんのキャノピーです


 その一方、主脚カバーの付け根にあるもう一枚のカバーがきちんとあったりします。

 ところでこのモデルではスタンドが付いています(この以降の版ではなくなっています)。ちょっとした機構で自由に角度を変えられるというスグレモノ?です。仮組みしてスタンドに付けてみました。(まだ脚はつけていない)

一応零戦以外には見えないですね。それにしてもプロペラブレードが幅広くたくましすぎる!


 考えてみるに、こうした模型の対象は小学生高学年〜中学生くらいであり、模型屋ではなく、近所のおもちゃ屋、学校近所の文房具店で購入されることが殆どであったと思われます。さらに塗料なんと持っている子供は殆どおらず、大多数の少年たちはこのように素組ですませていたはずです。いちいちディテールなんて気にしたはずが有りません。パーツをランナーからむしりとって付属の接着剤をベタベタと付けて、半日で完成させ手に持ってブーンと遊んでいたと思われます(自分がそうだった)。 そうしたガキ達の手荒い扱いに耐えるためには繊細なパーツはかえって不要であり、このようなごつごつとした全体的に太めの構成となっているのかなあと思ったりします。まあ単に技術がなかっただけかもしれませんが。

 簡単に出来るかと思っていましたが、合わせは悪いしスキマは大きいし、翼の後縁の修正(パテ埋めしました)などで案外時間を取られました。どうせならばと日の丸は初めて手書きにチャレンジしたりで、なお時間がかかりました。



 この翼の合わなさぶりがおわかりでしょうか?この後パテで埋めてペーパーがけしましたが、結果としてリベットはかなり消えてしまいました

 はじめての手書きの日の丸。サーフェイサーと明灰白色は同じ色ということに気が付き、胴体下面はサーフェイサーをそのまま使っています


 さて問題のキャノピーですが、腕に覚えがある方ならば自作されるかもしれませんが、小生にはそんな腕はないし、そもそもこのモデルに、そこまで手をかける価値はない?と決め付け、このままで行くことにしました。でも窓枠だけはどうしようと考えた末、「ホビーショップはせがわ」の店主に教わった方法でやってみました。  要は透明デカールに烏口で直線を引いておき、これをキャノピーに切り貼りするものです。やってみると案外キレイにできました。ついでの翼上の赤いラインも自作デカールを貼ってみました。この方法は烏口で綺麗な直線を引くほうが難しかったです。


1000円の烏口を購入してきましたが、直線を描くのが案外難しいです。失敗の連続でした

どうです?意外とキレイでしょう。元の窓枠は無視しております



 デカールは使えないであろうと思っていましたが試したところ機番は使えたので記念に?使用しました。他の細かいデカールはバラバラになりました。

 ピトー管、20mm機銃は、あんまりなので余っていたものから流用しました。アンテナ柱は何だか面倒くさくなり、手元にあった爪楊枝をそれらしく切って代用するという手抜きをしました。

アンテナ柱は手元にあった爪楊枝を削って無理やり取り付けました


 どうにか完成させました。隙間を埋めるためパテを大量に使用してペーパーをかけたのであちこちモールドは消え去っています。 全体として太めでゴツゴツして、重戦闘機のようなたたずまいを見せます。


風防前面の段差が目立ちますが遠目に見ればそこそこいけるじゃん!


斜め後ろから見ると、少しかっこいい?


 脚カバーの付け根のカバーが再現されていたのはちょっと感心しました(でも削って薄くしました。脚カバー本体はそのまま使用しています)
 今回、このモデルを作って思ったことは「どこまで作りこむか」というよりも「どこで妥協、というよりあきらめるか」ということでした。まあそれなりに楽しめましたが、「もう一機作りたいか?」と尋ねられたら「Yes」とは返事しがたいものでした。
 結論として「このモデルに精密さを求めてはいけない!大胆に楽しむんだ!」ということでした


スタンドに乗せると意外とお似合いだったりして


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