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特集 水上機&飛行艇

 紫雲 (アオシマ & RSモデル 1/72)

  by  松戸のタカ




 こんにちは 松戸のタカです
今回は水上機特集ということで日本帝国海軍の「紫雲」をつくってみました。
メーカーはアオシマとチェコのRS製のふたつ(1/72)です。
「紫雲」といえば旧日本軍の駄作機の代表格と言ってもおかしくない航空機です。でもそんな変なところが面白そうで作成してみました。
実機は高速水上偵察機として、二重反転プロペラ、折りたたみ式の翼フロート、更には緊急時には主フロートを落下させて高速を得ようとした新機軸盛りだくさんでしたが,いざ実戦時には目立った活躍もみせずに少数の生産機で終わった機体です

<アオシマ 紫雲>

 さて、アオシマ製です。これは昭和30年台の復刻モデルということですが箱のイラストを見るとなんと派手なカラーリングでしょう。隠密活動をするはずの偵察機が派手なストライプにフロートの下面は鮮やかな真紅となっています。 これは目立つ目立つ、偵察どころか敵さんに早く発見してくれ、といわんばかりです。ついでによく見ると3人乗りになっています。確か紫雲は二人乗りのはずです。


派手なカラーリングの三座水偵です!


 そこで脳内変換することにしました。「そうだ、きっとこれは紫雲のプロトタイプであり試作機以前のものなんだ」と思い込むことにしました。
 そうするとキットの不可解な構造も納得させられます。引き込み式であるはずの翼端のフロートはキットではどう見ても固定式になっています。キャノピーの形が異なるようですがプロトタイプだからいいんだ、プロトタイプだからまだ翼端のフロートはあえて固定式にしてあるんだ!これでいいのだ!と納得することにしました。

ついでながらRS製と比較すると一回り小さいようです。1/72ではなく1/80くらいではないかと思われます。でもいいのです。せっかくここまで開き直ったので塗装はイラストに準じて派手なものとしました。
 今回の自分への課題として基本は筆塗り、ストライプなどもマスキングテープは使用せずにフリーハンドでどこまで出来るか試してみる!というものです

実際に作ってみると細かい造形は気にしないでガシガシ作っています。思ったほどスキマやガタは少ないようです(現代のものと比較してはいけません)

コクピットはガランドウで二本の棒にお人形さんを座らせるというものです。ただし、広大なガランドウとなるので、ここは前後席の空間を埋めました。方法はプラ板ではなくハガキをテキトーに切り抜いたものです。
 手を加えてみたのはこれだけです。あとはそのままキットを組み立てました。


搭乗員の前後を区切る物は「ハガキ」から切り抜いたものです

私のテクでは残念ながら綺麗なストライプは描けませんでしたが、なぜか「アオシマのキットだから」許せてしまいました。 これがタミヤやファインモールドだったりすると許せなかったかもしれません。おそるべし「アオシマのマジック」


このフロート下面の色!絶対、敵に見つかりますよね


フリーハンドで描いたストライプはヘロヘロになってしまいました




こうやってみると悪くありません

<RSモデル 紫雲>

 さてRS製ですが時間が足りなくなり急いで作成したので特にコメントはありません。ガイドとなるような穴やでっぱりは皆無なので自分で慎重に合わせるくらいです。 コクピットも簡潔ですがそれらしく作られています。





うん!立派な紫雲です


 きちんと翼フロート収容部位もモールドされており、なかなか良く出来ていますし好感のもてるモデルです。
それにしてもただでさえ資料の少ない機体なのに一体どうやってこんなマイナーな機体を遠いチェコの方々が販売する気になったのでしょうか?

キットを組み立てながら実機に関して感じたことなのですが、操縦席の位置が意外と後ろ寄りにあるということでした。
これは水上機ならではの配置で、三点姿勢を強いられ、視界確保という点から少しでも前方に操縦席を配置する必要がある陸上機と異なり、より重心位置に配置できたためなのであろうと改めて感心したりしました。
またスリムな胴体はなかなか洗練されておりカッコいいなあと思う反面、翼幅がかなりあり、これでは航続力という点では良いかもしれないが高速を出すのでは無理だろうなと、なんとなく水上機屋であった川西航空機のノンビリとした設計を伺わせたりもしてくれました。「高速水上偵察機」というにはあまりにも大らかで、むしろ「遊覧水上飛行機」的な印象を持ってしまいました。

両者のキットを作り上げて、比較するとRS製に軍配が上がるかというと個人的にはそうでもなく、作成している時はなぜかアオシマのイイカゲンさが何だか楽しくて、テキトーに組める面白さがありました。RSはマジメに組まなくては!と構えさせられるところがありました。どちらもそれなりに面白いキットでありました。
 でもまあ、まともな機体を作ろうとしたらアオシマではなくRSを選択すべきなのでしょうね。


左がアオシマ製、右がRS製。並べてみるのもなかなか楽しいです



RS製は尾翼に偏流測定用のラインを引いてみたり、一方アオシマ製にはフラップ上面の赤いラインを引いてあったりで、やることがまちまちです。
時間が足りなくてRS製は実は未完成なのですが許してくださいね♪


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