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特集 レベルのプラモデル
温故知新シリーズ第24弾

P-39Q改造レーサー機コブラⅡ(レベル1/45.6)

by ヒサマロ




 どうもヒサマロです。今月の第二特集に合わせて今回の温故知新シリーズは少しレアなP-39Q改造レーサー機コブラⅡ(1/45.6)を取り上げさせていただきます。実機はベル社の強力なバックアップで武装、防弾類、ライト類を撤去して軽量化した機体に2000馬力級にパワーアップしたエンジンを搭載し、排気管を6本から12本へ、キャノピー直後のエアスクープもP-63から転用した大型のものになりました。なによりも一番大きな外形変化は胴体下に大きなエアスクープがつけられ、プロペラが4枚のパドルブレードになったことです。その他動翼部は羽布張から金属製になるなど細かい変化は多数あるようです。 レースナンバー75の赤い機体がコブラⅠ、レースナンバー84の黄色い機体がコブラⅡと命名された2機が製作されました。残念ながらコブラⅠは試験飛行中にオンタリオ湖に墜落し、パイロットのジョン・ウーラムズも機体と運命を共にしました。コブラⅡはテックス・ジョンストン操縦で1946年のトンプソントロフィーレースに参加し、レベルの箱絵にあるようにP-38,P-51アリソンマスタングをおさえて見事優勝を果たしました。この映像はユーチューブでも見られます。ソ連での戦果を別にすればP-39唯一の栄光のスポットライトを浴びた瞬間ではないでしょうか。





 このコブラⅡのキットはレベル以外にもアキュレイトとハセガワからも1/48でキット化されていますが、アキュレイトのはエデュアルドのキットにレジン製のエアスクープとデカールがセットされただけですのでちゃんとしたコブラⅠ、Ⅱにするには相当手が掛かることになります。 ハセガワのはさすがに良く調べられていますがキャノピー直後のエアスクープはP-39のままとなっているのが玉にきずですかね。




 それではキットを拝見してゆきます。キットには1955年と刻印されています。もとはP-39D(キットナンバーH-222)として発売されたものです。1961年に金型が全面改修されてコブラⅡ(キットナンバーH-144)に変身しました。 全面クロームイエローにモールドされ、パーツ総数は27ヶときわめてシンプルな作りです。仮組してみるとキャノピー以外の所は割と合いも良いようです。




 いつものようにコクピットはパイロットとシートが一体になったものだけですが、彫刻は見事なものですので丁寧に塗装してあげます。あとは胴体内側は全て黒く塗って光の透過を阻止しましよう。左側のドアは開けられるようになっていますが、中はがらんどうですので閉じておきます。この左右の扉の窓にクリアーパーツを接着するのですが形が合わずにうまくはめ込めませんのでクリアーパーツを慎重に削り合わせをして接着します。私は失敗してクリアー部分を汚してしまいました。 前脚式ですので機首にパチンコ玉大の錘3個を油粘土で固定しました。胴体の接合はすんなりといき軽くペーパーがけした程度でOKです。ここで排気管を取り付けるようになっていますがキットのは無骨なものが6本出ているだけですのでここはアキュレイトのキットにP-400用の12本の排気管があるのでそれを転用しました。前後左右にできた隙間にはプラ板をはめ込みました。




 主翼は上下分割ですが、下翼を接着前に主脚を上翼側に先に取り付けておかないと後から取り付けられないのでご注意を。ここも合いはまあまあです。 主翼と胴体の合わせ目は多少の隙間が出来ますので溶きパテをすり込んでおきます。水平尾翼は全く問題ありませんでした。




 さて、問題のキャノピーですがかなり隙間が出来るうえになぜか中間部の左側だけがプラパーツになっており、これも隙間だらけですので削り合わせをよくしたところで強引に接着し、出来た隙間には爪楊枝に木工用ボンドをつけて隙間を埋めて行きます。 乾燥すると透明になるので余分な部分は綿棒に水を含ませたもので拭き取ります。胴体下のエアスクープはパーツ化されていませんのでアキュレイトのキットからレジンパーツを転用しました。出来た隙間はパテ埋めしておきます。




 プロペラはきちっと4枚のパドルブレードになっておりピッチも正しいようです。スピナーの形がお椀形で丸くなり過ぎて変ですがここはそのままとしました。1/72ファイターシリーズのP-39も同じ欠点を持っていましたよね。このスピナーから長いピトー管が出ているのですがキットは無視していますので金属パイプとと真鍮線で自作しました。 最後に前脚柱、脚カバー、タイヤを取り付けたら組立終了です。塗装は今回キット指定のコブラⅡではなく赤のコブラⅠにしてみました。というのも黄色のコブラⅡはモデルアート第19集で大々的に取り上げられていることとコブラⅡはハセガワのキットで作ろうと思っているからです。




 赤はハセガワの説明書にクレオスの68番モンザレッドが指定されているのでそれに従いました。いつも通りの筆塗りですのでこの機体は特にムラが出来ないよう気を使いました。かなり薄めに溶いたものを3~4回に分けて塗りました。スピナー、プロペラ、動翼部はグロスブラックを塗り、アンチグレアはジャーマングレーにしました。 面倒なのは機首のギザギザマークなんですがハセガワのキットにはデカールで再現されているのでそれをマスキングテープに写し取って塗り分けしました。デカールはアキュレイトのカルトグラフ製を使用しました。




 これにて完成です。出来上がった姿はとても60年前のキットとは思えないほどいい雰囲気を持っているではありませんか。この温故知新シリーズもここ3回連続でレベルのキットを取り上げておりますが、細部は現在のキットと比較するのはナンセンスですし、それらを感じさせない外形の捉え方や雰囲気が何ともいえず良いのがレベルのキットのだいご味ではないでしょうか。 みなさんも昔のレベルのキットを製作してその雰囲気を味わってみませんか?楽しかったプラモ作りの原点に戻ってはいかがでしょうか。ではまた。





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